精密ドライバー

精密ドライバーとは

精密ドライバー

精密ドライバーとは、小さなねじを締めるためのドライバーです。

精密ドライバーにも先端の形状は一般的なねじと同様、一般的にプラスねじと呼ばれている十字ねじと、マイナスねじがあります。また、滅多に見かけませんが、Y字形状や星型のような形状の精密ドライバーもあります。

精密ドライバーは、私たちが日常生活で使う電子機器などの電池交換の際に使います。現在は100円均一ショップでも、複数本の精密ドライバーのセットが購入可能です。しかし、業務で使う場合は、使い勝手を重視して製品を選んだ方が無難です。

精密ドライバーの使用用途

精密ドライバーは、小さなねじを締めるために精密機器で使われる場合が多いです。小さなねじは、精密機器の筐体と呼ばれる外側を覆う箱を固定したり、機器内部にあるプリント基板を固定したりする際に使われています。

精密機器のような電子機器以外に、カメラや眼鏡も使用用途の一つです。「JIS B 1012 ねじ用十字穴」で「S形」として規定されている規格は、日本写真機工業規格のJCIS8-70で規定されている精密機器用ねじの十字穴の規格が、JIS化されたものです。また、S形に相当するISO規格はありません。

精密ドライバーの原理

精密ドライバーは、通常のドライバーと原理が同じです。ねじの頭の部分に形成された十字やマイナス形状の溝に合う形状の精密ドライバーをあてて、ねじを回します。

精密ドライバーを使うようなねじの場合、通常は大きな軸力を期待するような設計はされていません。そのため、精密ドライバーの柄の部分も細く、むしろ過大な締め付けトルクが発生しにくくなっています。

精密ドライバーのその他情報

1. 精密ドライバーの材質

精密ドライバーに限らずドライバーの刃先の多くは、S2鋼と呼ばれる工具鋼や、クロム-バナジウム- モリブデン鋼 (CVM工具鋼) が使われています。いずれも工具として長く使用できるように、硬さや耐摩耗性などの高い材質で熱処理されており、さらにコーティング処理が施されているものも多いです。

精密ドライバーは、一般的なサイズのドライバーに比べると、比較的小さな負荷でしか使用されません。「耐久性よりも絶縁処理がされているのか?」「マグネットタイプでねじをくっつけられるか?」なども、選定する前に確認することをおすすめします。 

2. 精密ドライバーのサイズ

精密ドライバーは小さなねじを回すためのドライバーですが、いくつかのサイズがあります。十字ねじではNo.000、 No.00、 No.0という表記が十字ねじの大きさを示しています。

一般的な大きさの十字ねじはJIS B 1012で、No.0、No.1、No.2、No.3、No.4が規定されており、数字が大きくなるにつれて十字ねじの大きさは大きくなります。精密ドライバーに使われるNo.000とNo.00はJISでは規定されていませんが、ゼロが多いほど十字の大きさが小さいことを表しています。

マイナスねじの場合には、十字ねじのようなサイズの規格はありません。溝の幅などで表示されています。作業するねじのサイズにあった精密ドライバーを選ぶことが大切です。

3. 十字ねじの種類

一般的な十字ねじには、種類があります。フィリップス形、ポジドライブ形、精密機器用の3種類です。

  • フィリップス形
    最も広く使われているプラスねじでJIS B 1012ではH形として規定されています。また、フィリップスという名称は、この形状の発明者の名前によるものです。
  • ポジドライブ形
    ヨーロッパで多く使われています。十字に重なるように浅い十字の刻印が施されているので、ちょうど漢字の「米」のように見えます。JIS B 1012では、Z形として規定されています。
  • 精密機器用
    元々は日本のカメラ業界の規格をJIS化し、S形として規定されています。

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