環境測定

環境測定とは

環境測定

環境測定は、水や大気、土壌中の物質濃度、音圧レベル、振動加速度レベルの測定を指します。環境測定を繰り返し、または継続的に行う事業所は、計量証明事業に該当し、そのなかでも環境計量証明事業に該当します。

このように計量証明事業に該当し、事業を行おうとする者は、物象の状態の量を計量証明する事業の区分にしたがって、事業所ごとに所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければなりません。

計量証明事業とは、長さや質量、面積、音圧レベルおよび振動加速度レベルなどに係る物象の状態の量を公に表明する事業を指します。

環境測定の使用用途

環境測定を行う事業所は、多くが環境計量証明事業に該当しますが、計量証明事業には、大別して一般計量証明事業と環境計量証明事業の2種類があります。

そして、環境計量証明事業のうち、特にダイオキシン類に関するものを特定計量証明事業と区分しています。

主にこれらは、以下のような区分で分けられており、計量証明を行う対象がそれぞれ異なります。

  • 一般計量証明事業

    一般計量証明事業は、長さや質量、面積、体積、熱量の計量証明を行う事業です。

  • 環境計量証明事業

    環境計量証明事業は、濃度や特定濃度、音圧レベル、振動加速度レベルの計量証明を行う事業です。

    • 特定計量証明事業

      特定計量証明事業は、ダイオキシン類の測定を取り扱う事業で、計量法により、経済産業大臣から委任を受けた認定機関などの認定を受け、都道府県に登録しなければなりません。

環境測定に係る環境証明事業では、物象の状態の量を計量法施行令第28条より次の通りに定めています。

まず、大気(大気中に放出された気体を含む)、水または土壌中(水底の堆積物を含む)の物質濃度が環境証明事業に該当するものとしています。

次に、音圧レベルでは「計量単位令別表第2第6号の聴感補正に係るものに限る」とし、振動加速度レベルでは「計量単位例別表第2第7号の感覚補正に係るものに限る」と定めています。

ただし、大気の区分では、建築物内の空気を該当しないものとし、水の区分では、飲料水が該当しません。

そして、水および土壌の区分では、土壌と一体化していない産業廃棄物と肥料、鉱物、重油を含まないものとしています。

また、濃度の区分では、風速(速さ)と温度、濁度、透明度、電気伝導率、色度、臭気、石綿濃度、大腸菌群数が該当しません。

計量証明事業の登録について

計量証明事業を行うには、計量法第107条で定められた通りに都道府県知事の登録を受けなければなりません。

しかし、国または地方公共団体が計量証明の事業を行う場合については、計量法に基づく事業の登録を受けることなく、当該事業に係る分野の計量証明事業を行うことができます。

そして、そのほかにも「労働災害防止団体法(昭和39年法律第118号)第19条の規定に基づく厚生労働大臣の認可を受けた者」や「下水道事業センター法の一部を改正する法律(昭和50年法律第41号)による改正前の下水道事業センター法(昭和47年法律第41号)第10条第1項の規定に基づく国土交通大臣の認可を受けた者」は、登録を受けることなく事業を行うことが可能です。

また、作業環境測定法と浄化槽法に基づく機関や環境大臣の指定を受けた者についても同様です。

これら計量法に違反した場合には、罰則が規定されています。例を挙げると、計量法第107条の規定違反では、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処し、これを併科する場合もあると定められています。

また、計量法170条または計量法172条から第175条までの規定違反には、その行為者を罰するほか、その法人または人に対しても罰金が科せられます。

環境測定の項目

環境測定の項目には、証明事業の形態によって、多くの区分がありますが、代表的な以下の項目について解説します。

作業環境測定

作業環境測定は、労働安全衛生法第2条によって定義されており、同法では、作業環境の実態を把握するため、空気環境、そのほかの作業環境について、デザインやサンプリング、分析、解析のことを指すとしています。

作業を行う環境中には、ガスをはじめとした蒸気や粉じんなどの有害物質や騒音および放射線などの有害因子が存在しており、これらは働く人々の人体に悪影響を及ぼすおそれがあります。

そのため、職業による健康疾病を予防するために、有害因子などを一定のレベル以下に保ち、管理する必要があります。

その方法のひとつに作業環境測定があり、正確な作業環境の実態を把握するための手段として活用されています。

局所排気装置の定期自主検査

局所排気装置の定期自主検査は、有機溶剤中毒予防規則や鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則などにより、定期自主検査の適正と有効な実施を図るために検査項目・検査方法・判定基準などが定められています。

また、準備すべき測定器なども厚生労働省により公開されており、スモークテスターや熱線風速計等直読式の風速計、ピトー管およびマノメータなどが必要としています。

検査項目には、フードやダクト、ファンおよび電動機、吸気および排気の能力などがあります。

これらの局所排気装置等の点検は、はじめて使用するとき、もしくは分解や改造、修理をおこなったとき、設置してから1年以内の定期自主検査が必要です。

ただし、例外として1年を超えて局所排気装置等を使用しない場合は、運転再開時に自主検査を行います。

これらの点検の記録は、3年間保存しなければなりません。

揮発性有機化合物( VOC )測定

揮発性有機化合物( VOC )測定は、大気汚染防止法のVOCが該当します。VOCとは、Volatile Organic Compoundsの略称で、トルエンキシレン酢酸エチルなどのさまざまな有機化合物が該当しています。

これらのVOCを抑制するために、2004年5月には、大気汚染防止法が改正されました。そして、2006年の5月には、大気汚染防止法に基づく大気汚染防止法施行令・大気汚染防止法施行規則が改正され、VOC濃度の測定法が環境省から告示されました。

特にVOCの排出量が多く、規制を行う必要がある施設を揮発性有機化合物排出施設(VOC排出施設)と呼びます。

VOC排出施設は、細かく区分が分けられており、それぞれにおいて、規模要件や排出基準が定められています。有害大気物質としては、中央環境審議会により、248物質が対象として登録されています。

対象施設は、都道府県に施設の届出を行う必要があり、VOC濃度の測定を年1回以上行う必要があるとしています。

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