反転機

反転機とは

反転機とは、金型や大型部品などの重量物を反転させるために使用される装置です。

クレーンを用いた重量物の反転作業は大きな危険を伴うため、ホイストメーカーでは禁止されている場合が多くあり、専用の反転機が必要です。反転機は、金型製作時の加工・組立や、運搬時、メンテナンス時などにおいて多く利用されています。また、重量物以外にも軽量の箱を反転させる、箱反転機と呼ばれる装置もあります。

反転機の使用用途

反転機は、金型をはじめ各種重量物の反転に用いられている産業機械です。自動車・自動車部品製造、プラスチック成形加工、素材メーカー、化学薬品製造、飲料製造

1. 金型

反転機は、金型を使用する各種製造業に導入されています。具体的な業種としては、自動車部品や、モーター部品、プラスチック成形、情報通信機器、住宅設備などをはじめとする製造業分野があり、射出成形金型、プレス金型、ダイカスト金型などの金型に使用されます。

金型の加工時、金型の反転・組立作業や、金型の入り子換え、および、メンテナンスや運搬時の反転作業の際に主に使用される事が多いです。

2. コイル材

反転機は、ロール材やフープ材などの重量コイル材の反転に使用されます。鋼板コイル、電材、電線コイルなど幅広く使用が可能です。

3. コンクリート製品・製品材料

反転機は、建築資材などの重量物コンクリートの反転にも使用が可能です。2次部品、建築資材、セグメントなどの用途があります。

また、金属加工をはじめとする、各種加工業分野やその他材料・製品の反転が必要な諸分野でも使用されています。この場合の対象物は、金属ロール材をはじめとする各種材料やその製品です。金属加工、製鉄、機械製造、物流などの分野で使用されています。製本会社などでは紙剤の反転にも使用されることがあります。

4. 機械部品・その他

反転機は、機械部品一般の反転にも広く使用が可能です。産業用ロボット、工作機械、射出成形機をはじめとする様々な機械に関係する部品の反転に用いられます。また、ディーゼルエンジンの加工、組立時や、機械フレームの加工時などにおける反転作業への適用も可能です。

その他、反転機で取り扱われる重量物には、鋼材、金庫、変圧器、制御盤などもあります。

反転機の原理

反転機は、油圧シリンダ、電動モータなどの駆動方式で駆動します。未使用時に完全にフラットになるフラット型の製品では、蛇腹が上向きに折りたたまれて2つ横に並んだ形状をしており、2つ共に外側 (他方の蛇腹に接していない、平行方向の面) が立ち上がるような形状です。未使用時には平面になっており、起動すると蛇腹が立ち上がって対象物を反転させます。その他では、円柱のような構造を回転させるローリング方式や、ベルトスリングで回転させるクレーン吊り下げ方式などがあります。

反転の角度は、製品にもよりますが、90°、180°が主流です。180°は、90°回転を2回行うことで180°回転するようになっているものが多いです。クレーン吊り下げ式などではその他自由回転なども対応している場合があります。

反転機の種類

反転機には、前述の通り、フラット型やローリング方式、クレーン吊り下げ式などの形状があります。フラット型は、回転後平面になるため、そのまま作業などがし易いという利点があり、また、未使用時にフラットになることから地面埋込も可能です。トラックやフォークリフトなどで上を走行することもできます。ローリング方式では、ローラギアを採用するなどして、メンテナンスフリーとしている製品もあります。ローラギアは、チェーン駆動のように部品が伸びることもなく、また、 油圧ユニットやシリンダで必要となるメンテナンスも不要です。

それ以外では、反転物の質量によって製品の種類が区別されており、10t、15t、20t、30tなどの耐荷重の種類があります。用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。