オイルセパレータ

オイルセパレータとは

オイルセパレータ

オイルセパレーターとは、油と水、または油と気体を分離する装置です。

オイルセパレーターには主に2種類のタイプがあります。1つは油中に混入した固体粒子や水分を取り除く油水分離器で、もう1つは油中に溶け込んでいる気体を取り除くための気体分離器です。ただし、後者を指してオイルセパレータと呼ぶことが多いです。

前者は排水に含まれるオイルを除去するために使用されることが多く、後者はエンジンオイルなどの潤滑油に混入した気体を分離するための装置です。

前者のオイルセパレータを使用しない場合、船舶や工場などの産業活動において油が排水に混ざって環境へ悪影響及ぼす可能性があります。後者のオイルセパレータがない場合、潤滑油に空気やブローバイガスが混入して潤滑油性能を低下させつつオイルクーラーで放熱効率も悪くなります。

オイルセパレータの使用用途

オイルセパレータは内燃機関や圧縮機などで広く使用される装置です。油水分離器と気体分離器に分けて使用用途を下記します。

1. 油水分離器

船舶のエンジンやボイラーなどから排出される機関油や重油を分離し、海洋環境への影響を低減するために使用されます。また、工場においては工業用油や冷却水、洗浄液などから油を分離して廃水処理やリサイクルなどに利用されます。医薬品・化粧品や食品の生産プロセスにおいては、油を分離するために使用される場合もあります。

2. 気体分離器

気体分離器は主に内燃機関や冷凍回路などにおいて、オイルを分離させる際に使用します。どちらも、高速で回転するクランク部品でオイルと気体が掻き回わされ、オイルに気体が混入しやすい環境下にあります。気体分離器を用いる事で、オイルの減りを抑制し、潤滑特性や放熱特性を維持することが可能です。

また、気体に含まれる酸素を取り除くことで、機械部品の防錆用としても使用されます。

オイルセパレータの原理

オイルセパレータの原理は油水分離器と気体分離器で異なります。

1. 油水分離器

油水分離器は油と水が異なる比重を持っていることを利用し、油を浮かせることにより分離を行います。一般的に油水分離器には内部に設置されたプレートやメッシュ、またはコイル状の管などによって構成されます。これらの部品によって液体を通過させる際に油を取り除き、油と液体を分離します。

液体は構造物を通過する際に濾過され、油は構造物に引っかかるように浮かせられて分離されます。その後、油は別のタンクに貯蔵され、液体は処理された後に排出されます。

2. 気体分離器

気体分離器は気体が液体に溶け込んでいる状態から分離するために、減圧や加熱、拡散などの方法を使用します。

一般的に気体分離器は油が入ったタンクに対して真空ポンプを使用し、タンク内の圧力を下げます。すると、液体中に溶け込んでいる気体が油から分離され、液体中の気泡が減少します。

また、加熱や拡散などの方法を併用することで、より効率的な気体分離が可能になります。その後、気体は別のタンクに貯蔵され、液体は処理された後に排出されます。

オイルセパレータの選び方

オイルセパレータを選ぶ際には、以下の点に留意して選定します。

1. 油水分離器

分離する油と水の種類と量を確認し、それに合った容量の油水分離器を選ぶことが重要です。分離能力は油滴の大きさや液体の流れ方、油の密度や粘度、油と水の比重差などに影響を受けます。そのため、使用環境や条件に合った油水分離器を選ぶ必要があります。

2. 気体分離器

気体分離器の性能には、分離対象の気体の種類や濃度、分離後の気体の純度などがあります。これらを考慮して、分離器の適切な性能を選ぶ必要があります。

また、気体分離器の分離方式は、拡散分離、遠心力分離、重力分離、凝縮分離などがあります。それぞれの特性に応じて、目的に合った気体分離器を選ぶ必要があります。

気体分離器の流量にも留意することが必要です。処理する気体の流量に合わせて、適切な流量の気体分離器を選ぶことが必要です。

参考文献
https://patents.google.com/patent/JP2007283290A/ja

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