造作材

「造作材」とは?

造作材とは、建築物や家具、インテリアなどの製作に用いられる、加工済みの木材のことを指し、建築内部の仕上げ材・取り付け材の総称です。

一般に造作材は、建築の骨組みが完成してから用いられます。また、建築の構造には直接関係しませんが、使い勝手や環境に大きく影響を与えます。

人の目に触れる場所で使われることから、造作材は見た目の印象が重要です。木材の質感や、木目や色によって室内の環境を大きく帰ることができます。

使途や費用に応じて単一造作材、集成造作材、化粧シート貼り造作材など様々な造作材が使用されます。

造作材の使用用途

造作材は、建築物や家具、インテリア、造園など様々な分野で使用されます。

家具の場合、テーブルや椅子、収納家具など様々な形状の製品を製作することができ、建築物では壁や床、天井、扉や窓などの建材に利用されます。

一般的に和室における鴨居・敷居・長押・框は節のない木材が選ばれることが多い傾向です。

加工方法は原木を削り出した材料を加工し、製品に仕上げるまで、彫刻や曲げ、積層などの加工を行います。

造作材の特徴

造作材は、美しくて丈夫な建築物や家具を作るために欠かせない素材の一つであり、その利点を活かして、さまざまな場面で使用されています。

かつては、現場で加工するのことが多かったのですが、現在は、すでに加工してある製品も多く流通しています。現場では取付作業や微調整などの作業をするだけになっており、作業時間の短縮が進んでおります。

造作材のメリット

造作材のメリットとしては、デザイン性が高く、自由な設計が可能であること、寸法や形状を柔軟にカスタマイズできること、木材は環境に優しい素材で、環境への負荷を減らすことがメリットとして挙げられます。

主に使われる材料である木材は、自然素材であるため、その表情や質感によって、温かみや優しさを感じさせる効果があります。

造作材のデメリット

一方、デメリットとしては、加工が手間がかかり、製品によっては高価になることがあります。

造作材の種類

天井・床・棚・階段のほか、和室における鴨居・敷居・長押・框や、洋室におけるドア枠・沓擦り・ケーシング、笠木などが、造作材にあたります。

使用される主な材料には、檜、桧、杉、欅、オークなどがあります。それぞれの木材には、独自の特徴や特性があります。

近年では使途や費用に応じて単一造作材、集成造作材、化粧シート貼り造作材など様々な造作材が使用されています。

単一造作材

単一造作材は、天然木材を加工したものであり、使用される主な材料には、欅、檜、杉などがあります。それぞれの木材には、独自の特徴や特性があります。天然木材は2つとして同じものがないため、個体差が生じます。

集成造作材

集成造作材は、複数の木材を接着剤で強固につなぎ合わせた建材です。

集成材は木目や色合いを自由に調整できるため、デザイン性に優れています。内装材として使用する場合は、自然な木目やカラーを生かしたデザインが人気ですが、集成材を使用することで、そのような自然な風合いを演出することができます。

さらに、集成材は天然木材と比較して歪みや反りが少ないため、環境変化による変形が少なく、安定した状態を保ち、メンテナンスが比較的簡単です。加工もしやすく、既製品としても市販されているため、施工の手間が少なく、効率的に内装工事を進めることができます。

化粧シート貼り造作材

化粧シート貼り造作材は、集成造作材の上に木目をプリントしたシートや、木材を薄くしライスした単板を張ったものです。集成造作材同様な特性を持ち、既製品として販売されており、効率的に作業ができるメリットがあります。

造作材の選び方

造作材を選ぶ際には、使用用途やデザイン性、木材の特性に合わせて選ぶことが重要です。

一般的に造作材の表面にシミや節がないものが良質な材料とされており、集成材よりも、天然木材のほうが高級なものとして認識されています。

天然木材のなかでも、その特性に応じて価格が異なります。一番高級とされているのは欅です。次に檜、杉の順番になります。そのため高級感を出したい和室の造作材は、檜や欅が好まれます。

また、必要な硬さや耐久性によって、造作材の材質を選ぶことができます。玄関框や敷居にような頻繁に負荷がかかる部材には、欅や檜のような硬い木材が好まれます。負荷のかからない天井付近の材料や鴨居や長押には杉を使います。

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