自動閉鎖装置とは
自動閉鎖装置とは、通常は防火設備として火災時の延焼防止のために、自動的に防火戸 (防火扉) や防火シャッターを閉鎖させる装置のことです。
自動閉鎖装置は、防災設備として正確な動作が求められ、異常時でも確実に安全な方へ向かう構造が必要です。例えば防火シャッターの自動閉鎖装置は、平常時シャッター降下をブレーキで止めておき、火災感知でそのブレーキが解除されて自重で降下します。
自動閉鎖装置は、防火設備の一つとして建築基準法施行令に規定されているほか、防火シャッターによる事故を受け「防火シャッター等の危害防止機構」設置の義務付けなどの国内法規上厳格な対応が求められる装置です。
自動閉鎖装置の使用用途
主に自動閉鎖装置は、防火戸や防火シャッターなどの防火設備の閉鎖を行う装置として使用可能です。火災報知機や煙感知機などのセンサー機構で異常を確認したときに働くように、複数の条件が集約されています。
また、自動閉鎖装置の動作対象となる防火戸等の設置場所は、同一フロア内での延焼を防止する「面積区画」と、非常階段のような吹き抜けとして働く「たて穴区画」の両面から定められてます。
自動閉鎖装置の原理
防火戸用の自動閉鎖装置は、常時ドアを通電させてホールドします。平常時には火災感知器、センサー、電源と連動し、常時通電して電磁マグネットが吸着しています。そのため防火戸をホールドでき、常時開放した状態を維持可能です。通電した状態でも人の力で引き剥がせる程度のホールド力であり、一時的に閉められます。
火災時に自動閉鎖装置は、電源がOFFになります。電源がOFFになると通電が切れて、電磁マグネットは吸着しません。火災センサーと電源が連動しているため、火災発生時に電源がOFFになります。他の装置と連動して、防火戸が開けっ放しになっています。
火災が発生した場合には、防火戸用の自動閉鎖装置の通電は切れて、ドアのホールドを解除可能です。電磁マグネットの吸着が切れて、自動でドアのクローザーの力によって防火戸が閉じます。
自動閉鎖装置の種類
一般防火用や防煙シャッター用の自動閉鎖装置は、直付け型、別置き型、内蔵型などに分類可能です。直付け型は直接開閉機に本体が付いており、ブレーキ開放を行います。別置き型は開閉機と本体が別です。直付けできない場合には別置き型を使用し、開閉機はワイヤーで繋がっていて、近くに設置します。内蔵型は開閉機に自動閉鎖装置が内蔵されたタイプです。
危害防止装置用の自動閉鎖装置には、直付け型と別置き型の2種類があります。危害防止装置用の自動閉鎖装置の内部には、歯車やモーターが付いています。
自動閉鎖装置の選び方
床面取付型の自動閉鎖装置はドアを開けた方向に、壁面がない場合にも設置可能です。壁面付型は壁内や壁面を補強して設置できます。床面取付型と壁面付型の自動閉鎖装置は、一般的な防火戸に用いられます。
壁埋込型の自動閉鎖装置は壁の中に埋め込めて、省スペースで設置可能です。ただし壁内に埋め込むために、専用のバックボックスが必要です。引き戸用に作られた防火戸用自動閉鎖装置や保持力が大きい大型防火戸用自動閉鎖装置などもあります。
壁にドアがぶつかったり、壁にドアノブが干渉する場合には、エクステンションロッドが効果的です。エクステンションロッドは、マグネット・ドアホルダーに付属されたアーマチュアプレートに取り付けます。エクステンションロッドはドアと壁の距離を保持する際に利用でき、ドアの角度によって電磁マグネット同士が付かないときにも役立ちます。
自動閉鎖装置の構造
起動後に自動閉鎖装置は、開閉機のブレーキを開放して、シャッターを自重降下させます。自動閉鎖装置の起動には2種類あり、感知器連動と手動起動です。感知器連動では煙を感知器が感知して、信号を送って作動させています。手動起動では閉鎖ボックスを手動で操作して作動します。