モータグレーダ

モータグレーダとは

モータグレーダ (英: motor grader) とは、道路工事などで使用する地面を平らにする産業用車両です。

一般的な道路工事用のほか、雪国で使われる雪道仕様もあり、車体の下に設けられた「ブレード」と呼ばれる金属板で路面を削るようにして進み、整地します。ブレードを進行方向に対し傾けて走行するので、抵抗で片方向に曲がりやすいです。そのため、前輪を適度に傾けられる構造になっています。

そのほか、未整地を走行していくことから、車体自体が必要に応じて折れ曲がるなど、数々の構造的な工夫が施されています。

モータグレーダの使用用途

モータグレーダは、道路構築から開通後の維持管理、拡幅などの拡張工事などで使用されます。具体的には、工事現場や荒れた土地の整地、道路工事で路盤・路床の整地、路面・広場の高精度整地、除雪作業などです。また、法面の切取り・仕上げ、L形溝の掘削・整形作業なども可能です。

積雪地では、先頭部や後部側面にブレードを追加して、除雪します。また、スリップ事故対策として、雪面を粗くする用途もあります。

モータグレーダの原理

ブレードは、進行方向に対し斜めに装着されます。この角度を推進角と言い、通常45~60°です。また、ブレードエッジと地面とのなす角は、接触角です。推進角と接触角を設定して、モータグレーダを走行させながら、ブレードで地面を削り、ならします。

モータグレーダの走行は、油圧駆動や減速ギア駆動が使われます。操舵は丸ハンドルで行い、レバーでブレードの高さや接触角を調節して、整地作業を行います。モータグレーダの特別な特徴は、揺動機構とリーニング機構を有する前輪、左右2輪がタンデムになった後輪、軸間距離が長い車体、及び車両のほぼ中央に装着したブレードです。 

前輪は、車軸中央を中心に左右に揺動し、後輪もタンデムケースが前後に揺動します。これらの機構と全体の配置により、不整地の場合もブレードの高さ変化を最小限に抑制できます。したがって、平坦性の精度向上が可能です。前輪にリーニング機構を設けて、車両の直進性を確保します。リーニングは、前輪を左右に傾斜させる機構です。

整地作業では車体を横方向に押す力が働き、この力を前輪に受け持たすことにより、直進性が得られます。後輪のデフロック機構と共に、牽引力と直進性を確保します。モータグレーダの車体は、アーティキュレート式と呼ばれる構造が一般的です。この構造は車両の前部と後部とが屈折でき、旋回半径を小さくできます。また、不整地での車輪の浮きが防止できます。

モータグレーダの構造

荒れ地をブレードと呼ばれる土工板を吊って引きずることで、整地する機械がグレーダです。グレーダを自走式にして、前車軸と後車軸の間にブレードを吊り下げたのが、モータグレーダです。モータグレーダは、駆動装置を備えた本体部、前方に突き出したブーム、先端に操舵兼用の前輪、及びブームから吊り下げたブレードなどで構成されます。一般に3車軸の車両です。

本体部には、エンジン、駆動装置、走行タイヤ、及び運転室などがあり、多くは2車軸4輪の構成です。整地を行うブレードは、ブームから吊り下げられ、走行方向に対し斜めに取り付けられます。ブームの先端に前車軸が装着され、操舵が可能です。

モータグレーダのその他情報

1. 作業に必要な免許

モータグレーダは、一般には大型特殊自動車であり、公道で運転するには、大型特殊自動車運転免許が必要です。工事作業の現場で作業する場合は、労働安全衛生法に基づき車両系建設機械運転者 (整地・運搬・積込・掘削用) の資格が要ります。

2. モータグレーダのアタッチメント

ブレード以外のアタッチメントは、スノープラウ、リッパ、スカリファイアなどです。スノープラウは前部に、他はいずれも車体中央又は後部に装着できます。リッパは熊手状の爪で、スカリファイアーは破砕機です。

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