光沢計

光沢計とは

光沢計

光沢計とは、物体の表面の光沢を測定する装置です。

別名グロスメーターといい、多くのメーカーでハンディタイプのものが販売されています。鏡面光沢度と呼ばれる正反射方向に反射される光の強さを測定する方法が代表的です。

製品の見た目の印象は、同じ色のものでも光沢が違うと印象や色味が変わって見えることがあるので、品質管理が難しいのです。しかし、光沢計を使うことで物体の表面をのつや、輝きをのような人間の感じる知覚を物理的に定量化することができます。

光沢計の使用用途

光沢計は塗膜、めっき皮膜、プラスチック、ほうろう、タイル、紙などの多くの素材の表面測定に使われますが、表面が平滑でないものやメタリック塗膜の表面には適していません。屈折率n=1.567のガラスの反射光を基準として試料の反射光との比で示し、Gs(θ)で示されます。

θは光の入射角を示し、20°・45°・60°・75°・85°がJISで規定されており、試料の表面によって反射角が異なります。記録方法についてJISで規定されている単位は%もしくは数値のみ、入射角を記録し、装置名を記載するように規定されているので、「Gs (60°) =42% ○○製○○形光沢度計」という形になります。

光沢計の原理

光沢計は平滑な試料面を0°とし、入射光をθ (= 20°・45°・60°・75°・85°) で偏光性のない光源から入射し、正規反射した反射光をθ’を測定します。光源から出た光はレンズの位置で焦点を結ぶように調整されたスリットを通り、レンズで焦点を結び試料に照射され、試料面で反射した光は反射光受光部のレンズとスリットを通り受光器に入ります。

光源ユニットと受光器ユニットは試料面に対し対象であり、入射角θから入射した光はθ’で受光されます。光沢計の校正は、屈折率n=1.567のガラスに対し各角度の反射光を100とする方法です。その後試料に測定器をあて測定すると校正したガラスとの比が出ます。

表面が平滑でつやがあるときは反射光は強くなりますが、表面が粗いときは入射光が物体表面で乱反射 (拡散反射) を起こし反射光が弱くなります。入射光が60°のとき70超えで高光沢、10-70で中光沢、10未満を低光沢あるいはつや消しとなります。

光沢計の種類

1. 60度光沢計

最も一般的な光沢計であり、60度の角度で光を反射させて光沢を測定します。一般的に、塗料、プラスチック、皮革、紙などの表面の光沢を測定するのに使用されます。

2. 20度光沢計

主に鏡面仕上げなどの非常に高い光沢を持つ表面の測定に使用されます。20度の角度で光を反射させて光沢を測定します。

3. 85度光沢計

主にマットな表面や塗装の仕上げなど、光沢が低い表面の測定に使用されます。85度の角度で光を反射させて光沢を測定します。

4. 三角測色光沢計

光沢と同時に色の測定も行える光沢計です。表面の色と光沢の関係を評価することができます。

光沢計の選び方

光沢計を選ぶ際は、下記のポイントを確認する必要があります。

1. 測定範囲

光沢計は、測定できる光沢の範囲が異なる場合があります。使用する材料や製品の光沢の範囲に合わせて、適切な測定範囲を選ぶことが重要です。

2. 解像度

解像度は、光沢の微細な変化を検出する能力を示します。高い解像度の光沢計を選ぶと、より正確な結果が得られます。特に、微細な表面の変化や薄いコーティングの光沢測定には高い解像度が必要です。

3. 操作性

光沢計の使いやすさも重要なポイントです。操作パネルやボタンが直感的で分かりやすく、操作が簡単なモデルを選ぶと便利です。また、データの読み取りや保存方法も考慮し、後工程も考えた選定が必要です。

4. 機能性

光沢計にはさまざまな機能があります。必要な機能を選ぶことで、より便利に測定作業を行えます。例えば、統計データの取得やグラフ表示機能、複数の測定角度への対応など、特定の要件に合わせた機能を選ぶことができます。

5. メンテナンス性

光沢計は正確な測定結果を維持するために定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスの手間を考慮し、長期的な運用を見越して適切な機種を選ぶことが重要です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu1932/66/10/66_10_1067/_pdf

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