チップドレッサー

チップドレッサーとは

チップドレッサーとは、スポット溶接の電極部を切削加工し、溶接性を回復させる装置です。これまで電極部の研磨は、手動によるヤスリ掛け作業が主流でした。しかし、作業者の安全面、作業負荷および品質に問題がありました。これらの問題を解消した研磨機がチップドレッサーです。

また、一般的な研磨機では、精密なチップ形状を再現しにくいことから、チップドレッサーは重宝されています。研磨対象となる溶接電極の種類、数、設置場所によって、チップドレッサーの種類を選定する必要があります。

チップドレッサーの使用用途

チップドレッサーは、スポット溶接用装置に適用されます。スポット溶接は、非常に広い分野で用いられています。主に「自動車製造」「家電」「住宅設備機器」など、多岐に渡ります。

また、溶接性を修復するだけでなく、溶接時に発生するバリを除去することができます。チップドレッサーにはハンディタイプと据え置き型があります。現場にて簡易にメンテナンスをするにはハンディタイプが適しています。一方で、チップの汚れが著しい場合であったり、精密な研磨が求められる場合には、チップを取り外した上で、据え置き型で処置する方が好ましいでしょう。”

チップドレッサーの原理

研磨パーツをセットした円形の部分を高速で回転させます。そこにチップを当てることで研磨が進行します。また、垂直に精度高く研磨するために、フローティングユニットが使われています。
これにより、適切な角度を維持し、チップやドレッサーへの負荷を軽減できます。

装置によっては、先端判別センサーが備え付けられており、適正に研磨されているかを速やかに確認することができます。電極は、先端の精密な径が重要になるため、光センサーによる計測を適用しています。

また、電空比例弁と多機能コントローラを使用したプログラム加圧によりドレッサーの電極への適正加圧ができる装置もあります。研磨屑による装置へのダメージを避けるため、研磨時に飛散せずに集積するチップコレクターを所持している機種もあります。単純なチップ形状であるA型、F型、P型は、一般的なチップドレッサーでも対応可能です。一方で、複雑なチップ形状である、E型、R型に対しては、特殊な機種を選定する必要があります。

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