ルブリケータ

ルブリケータとは

ルブリケータ

ルブリケータとは、機械部品や機械装置に油やグリースなどの潤滑剤を供給する装置です。

空圧機器の1種で、圧縮空気中に潤滑油を噴霧することによって潤滑剤を供給します。予め潤滑油の噴霧量を付属の調整つまみで調整しておくことで、圧縮空気供給時に自動的に潤滑油を一定量噴霧します。

近年は、無給油タイプの空圧機器が広く使用されているため、ルブリケータを必要としない場合もあります。アクチュエータ (エアシリンダなど) が無給油タイプの場合でも、ルブリケータにより給油することで寿命を延ばす効果はあります。

ただし、一度給油した場合はシリンダ摺動部のグリスが給油により流されるため、継続した給油が必要です。通常は、圧縮空気から水分を除去するエアフィルタと、供給する空気圧を調整するエアレギュレータと共に圧縮空気の供給位置に設置し、これら3つの機器は「エア3点セット」と呼ばれています。

ルブリケータの使用用途

ルブリケータは、産業分野で広く使用されており、機械の信頼性向上やメンテナンスの簡素化に貢献しています。空圧機器への使用が最も一般的です。

エアシリンダーは空気圧を使って動くシリンダーであり、ピストンとシリンダー内面の摩擦するため、適切な潤滑が必要です。ルブリケータを使用してエアシリンダーに適量かつ適時に潤滑剤を供給し、動作をスムーズに保ちます。

また、バルブ類への潤滑も用途の1つです。エアバルブは空気圧を使って動くバルブであり、バルブとバルブシートの接触面で摩擦が発生するため、適切な潤滑が必要です。したがって、空気制御用電磁弁やエアバルブには、ルブリケータによって潤滑剤を供給して劣化を防止します。

そのほか、機械部品に使用する場合もあります。減速機やベアリングなどの機械部品は高負荷や高回転数で動作するため、これらの部品に適量かつ適時に潤滑剤を供給する必要があります。コンベヤ、エアコンプレッサーなどの機械装置も摩擦が生じるため、ルブリケータなどで適切に潤滑を施すことが可能です。

ルブリケータの原理

ルブリケータは上部のベンチュリ部と下部のオイルタンクに分かれており、オイルタンクには潤滑油を注入します。圧縮空気が供給されると、オイルタンク内が加圧されることで潤滑油がベンチュリ部まで上昇します。ベンチュリ部を通過した圧縮空気の膨張に伴って、潤滑油もオイルミストとなります。

ルブリケータの多くがOUT側ポートで1~2マイクロメートル以下の微細なオイルミストのみを通過させる選択式の構造です。通過したオイルミストは管壁に付着せず、遠方の機器まで給油することができます。

以上のような構造ゆえに、オイルタンク内の潤滑油が尽きると空圧機器へ給油されません。長期間放置すると空圧機器の故障に繋がります。したがって、ルブリケータを使用する場合には定期的に油量を確認し補充する必要があります。

また、フィルタおよびレギュレータと共に3点セットとして使用する場合には、必ずフィルタ・レギュレータ・ルブリケータの順に接続します。

ルブリケータの選び方

ルブリケータを選ぶ際は、潤滑油量や潤滑方法などを考慮して選定します。

1. 潤滑油量

使用する機械部品や装置の仕様に合わせて、適切な潤滑量を確保できるルブリケータを選ぶことが必要です。潤滑量が少なすぎると、機械部品や装置の摩耗が進んでしまうことがあります。

一方で、潤滑量が過剰であると、潤滑剤のムダや余分な潤滑剤の掃除が必要になる場合があります。

2. 潤滑方法

エアーラインへ使用するルブリケータは自動注油のルブリケータが好ましく、簡易的に注油したい場合は手動タイプなどを選定します。

 

注意点として、ルブリケータによっては使用可能な潤滑剤の種類に制限がある場合があります。機械部品や装置が必要とする潤滑剤と一致するように、適切なルブリケータを選ぶことが大切です。

参考文献
http://www.uht.co.jp/ja/support/howToUse3set.html
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0107.html
https://smc-pneumaticcomponents.com/guide_faq?cmd=detail&faqId=36
http://kousyoudesignco.dip.jp/air9-1.html

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