バケットコンベアとは
バケットコンベア (英: Bucket conveyor) とは、上面が開口した箱状の容器 (バケット、バケツなど) をベルト上に連続して取り付けたコンベアです。
物品を搬送するために使用されるコンベアの一種で、バケット内に搬送物を投入して搬送します。粒体や粉体などの非定形の搬送物も漏出することなく搬送できる点が特徴です。また、垂直方向に搬送可能な点も利点として挙げられます。
各種原料や食料品、砕石後の石や肥料の搬送など様々な分野で実績があります。
バケットコンベアの使用用途
バケットコンベアは、構造上大量の物品を高速かつ効率的に搬送することができ、産業生産ラインなどでよく使用されます。特に、粉体などの非定形物の搬送に適しています。
そのため、化学工場での原料粉体やペレット (粒状の樹脂) の搬送に適しています。食品工場での米や小麦粉の輸送において、垂直方向の搬送などに多く使用されます。乾燥させた果物や缶詰の食品を搬送するために使用される場合もあります。
採鉱業でも広く使用され、鉱石や石炭を搬送します。鉱山内には、地下鉱山や露天掘り鉱山があり、鉱石を搬送するためにバケットコンベアが必要です。鉱石をトラックや鉄道車両などの運搬手段に移し変える前に、バケットコンベアで搬送することもあります。
近年では再利用産業などにも使用されます。リサイクルプラントで、廃棄物を搬送し、選別するためにバケットコンベアが使用されます。バケットによって、搬送物がこぼれることを防ぐことができ、スムーズな運搬が可能になります
バケットコンベアの原理
バケットコンベアはベルトやバケット、駆動源などで構成されます。
1. 動作原理
ケットコンベアのベルトは回転軸によって回転するように設計される場合が多いです。ベルトの動力伝達は一般的に三相誘導モーターによって提供されます。ベルトが回転し始めると、バケットもベルトによって運ばれます。
バケットは一定の間隔を空けてベルトに取り付けられており、バケットが移動するたびに物品を持ち上げて運びます。バケットが移動すると、バケットに入れられた物品はバケットとともに運ばれます。連続的に物品を搬送するために設計されており、大量の物品を効率的に搬送することが可能です。
バケットが目的地に到着すると、バケットから物品がアンロードされます。終点部ではベルトの折返しに伴ってバケットも反転することでアンロードされます。ベルトの折返し部の下方に設けられたシューターなどよって搬送物が次工程へ排出されます。
2. 設置場所
バケットコンベアは原料投入部にホッパーが取り付けられており、前工程から投入された搬送物はホッパーによってバケットの直上に集約して投入されます。また、コンベア上の隣り合うバケット同士は搬送方向に連結することで隙間を作らず、投入された搬送物がバケット外に落下することを防ぎます。
バケットコンベアの処理能力を超える量の搬送物が一度に投入される場合には、ホッパー下部にロータリーフィーダなどの定量送り機構が使用されます。
バケットコンベアの選び方
バケットコンベアは運搬対象物、搬送量、使用環境等に応じて選定されます。
粉体や小さな粒子を搬送する場合には、粉塵の発生を防ぐために密閉型のバケットコンベアを選定します。目的地の高さや距離が長い場合には、より長いバケットコンベアを選ぶ必要があります。
搬送する量と速度を確認することで、バケットコンベアの大きさや設置するモーターの容量を決定します。搬送する量と速度を把握し、必要な機器を選択することが大切です。
材質は使用環境に合わせて選定します。搬送する物品が腐食性の場合はステンレスや樹脂製を選定します。爆発性を持つ場合には耐久性の高い材質で製造されたバケットコンベアを選ぶ必要があります。
参考文献
https://kenki-corporation.jp/2018/05/07/about-bucket-conveyor-1/
https://www.j-showa.com/items/index.html