バラマンとは
バラマンとは、重量物を取り扱うための装置です。
作業者が重量物を持ち上げ、回転、移動する作業を補助する役割があり、バランサやハンドクレーンと呼ばれる場合も多いです。バラマンは通常床面または天井に固定されており、外力を加えない限り動作はしない構造となっています。
バラマンを使用する際は、ハンドル部分を掴んで動かしたい方向に軽く力を加えることで可動範囲内を動かすことが可能です。重量物を持ち上げる際にも作業員は大きな力を必要としないため、軽量な物体を扱う感覚で重量物を動かす作業を行えます。
バラマンの使用用途
バラマンは重量物を取り扱う現場において、クレーンや反転装置といった大規模な設備の導入が困難な場合やロボットアームなどにより自動化すると作業員に危険が生じる場合に多く使用されます。
外力を加えないときは動作せず作業員の意図した動作以外のアクティブな動作を行うことがないため、人の往来が多い現場で活躍する装置です。また、天井のレールに取り付けられるタイプのバラマンもあり、重量物を持ち上げた状態で長い距離を運搬したい場合にも重宝します。
バラマンの原理
エア式の場合はエアー圧、電動式は電力によって力の可変等を設定することができます。エア式ではエアシリンダが重量物の重さを打ち消す方向に働くことで、作業者はワークの重量を意識せず動かせます。
バランスはエアシリンダとエア制御回路で取っています。負荷・無負荷やアームの上下に応じて、エアシリンダ内圧力をパイロットレギュレータが調整することで、バランスに必要な圧力保持が可能です。バランス状態になると、ワークの移動を自由自在に行えます。
1. 自動重量感知制御
荷物を釣り上げたときはシリンダ内圧を制御回路へフィードバックすることで、自動的にバランスを無負荷から負荷へ切り替えます。そのため、重量の異なる荷物をランダムに扱うことが可能です。
2. 調圧制御
負荷・無負荷時の圧力を予め設定することで、圧力を切り替えてバランスを取れるようになります。同一重量の連続移載などで効果的な制御です。
3. インタロック制御
アタッチメント取付が可能なモデルもあります。アタッチメントの動作と本体制御を連動させることで、さらに高度な機能が実現可能です。
アタッチメントが保持すると、自動的に負荷バランスをとることや負荷バランスをとっている間はアタッチメントがロックするなど、作業性・安全性を高めた機能が実装できます。
バラマンの種類
バラマンは大きく分けて設置方法・駆動方法・自由度の3つの項目についてそれぞれ違いのある製品が展開されています。
1. 設置方法による分類
設置方法については、床面に設置するタイプと天井に固定するタイプの他、天井のレール上に据え付けるタイプも存在します。設置範囲や移動範囲を考慮して選択する必要があります。
2. 駆動方法による分類
駆動方法は、エア式と電動式の2種類があります。エア式は高圧エアを接続するだけで使用できる点、電動式は支持力の設定や複雑な制御が構築できる点などが利点として挙げられます。
また、エア式ではモータの加熱や火花が出ず、安全であることもメリットです。どちらの駆動方法でも重量物を支持した状態で作業員が手を離した際には、重量物をそのままの位置で保持する機能が搭載されています。その他、エアと電気を併用したハイブリッドバラマンという駆動方式もあります。
3. 自由度による分類
自由度については1軸型と2軸型が存在します。1軸型は設置位置を中心として単純旋回するため移動可能領域はドーナツ型となりますが、2軸型はアームを曲げることで、高さ調節が可能なため移動可能領域が円状になります。
また、バラマン先端に取り付けるアタッチメントについても、真空吸着するものやフォーク形状のもの、反転機構を備えたものなど、用途によって製品はさまざまです。