製缶加工とは
製缶加工とは金属加工の一種で、金属板や鋼管などを曲げたり組み合わせたりすることでさまざまな形状の立体的な製品を作り出す加工です。
製缶加工と同じ金属板の加工には板金加工がありますが、板金加工は、厚さ7mm以下の金属板を使って小さなものや耐久性の必要ないものなどを作ります。一方で製缶加工では厚さ7mmを超える重厚な金属板を使って、大きくて強度に優れた製品を製造するという特徴があります。
製缶加工では大きさや耐久性に優れた製品を製造することができますが、製造コストがかかるという特徴もあります。
製缶加工の使用用途
製缶加工で作られる製品には日常的に目に触れるものから、企業や工場の設備に含まれる巨大なものまであります。
日常的に目に触れる缶には飲料用の缶やツナ缶などの保存用の缶、また殺虫剤や制汗剤な、さまざまな場面で使用される缶があります。
また、製缶加工では金属板だけでなく鋼管や形管なども扱うことができます。これらの材料を用いて業務用に用いられるボンベ缶や水槽などの貯蔵設備、ダクトなどの大きくて強度が必要な製品が作られます。
製缶加工の種類
製缶加工には切断、曲げ加工、溶接など様々な工程があります。以下でそれぞれの特徴について説明します。
- 曲げ加工
曲げ加工は、金属板などをカーブやV字など様々な形状に曲げる工程です。ダイと呼ばれる受け型のうえに金属をのせて行います。 - 切断
製缶に必要な金属を決められた大きさに切断する工程です。製缶加工で用いられる金属の切断方法にはガスやレーザー、電気など、さまざまな方法があります。扱う材料によって切断方法を選択する必要があります。 - 溶接
切断、曲げ加工の済んだパーツ同士を接合するには溶接を行う必要があります。溶接ではパーツの末端を加熱することで部分的に溶かし、別のパーツを接合します。外部から溶接するための金属(溶接材)を加える場合もあります。 - 表面処理
できあがった製品の表面にめっきや塗装などの加工を施すことを表面処理と呼びます。表面加工をすることで耐食性や耐水性、耐熱性など、さまざまな機能を付加することができます。製品の用途に応じた表面処理を施すことで製品を長く安全に使うことができます。