エチレングリコールモノエチルエーテル

エチレングリコールモノエチルエーテルとは

エチレングリコールモノエチルエーテルとは

図1. エチレングリコールモノエチルエーテルの基本情報

エチレングリコールモノエチルエーテル (ethylene glycol ethyl ether) とは、分子内にヒドロキシ基とエーテル結合を一つずつ持つ有機化合物です。

分子式 C4H10O2、分子量90.12、融点-70℃、沸点135℃ で、常温では無色の液体です。また、揮発性物質であるため、エーテル類に特徴的な臭気をもちます。

密度は0.9297g/cm3 (20℃)、水とは自由に混和して溶解します。 引火性液体及び蒸気であり、引火点は45 ℃です。

また、強酸化剤と反応すると、火災や爆発を引き起こす危険もあります。更に、アルミニウムなどの軽金属およびその合金を腐食する恐れもあるため、取り扱いの際は注意が必要です。

消防法では、「第4類 第2石油類水溶性液体」、有機則では「第2種有機溶剤等」、PRTR法では「第1種指定化学物質」に指定されています。

エチレングリコールモノエチルエーテルの使用用途

エチレングリコールモノエチルエーテルの主な用途は、樹脂・塗料・印刷インキの溶剤です。

他にも、革製品の染色、クリーニングのしみ抜き剤や汚れを溶かすための可溶化剤としても用いられます。これは、染料をよく溶かし、かつ浸透性が良いという、エチレングリコールモノエチルエーテルの性質を活かしたものです。

また、エチレングリコールモノエチルエーテルは、エポキシ樹脂をよく溶かす性質をもつため、金属や機械部品にエポキシ樹脂を塗装するときの溶剤としても使われています。

エチレングリコールモノエチルエーテルの原理

エチレングリコールモノエチルエーテルの原理を合成方法と化学反応の観点から解説します。

1. エチレングリコールモノエチルエーテルの合成

エチレングリコールモノエチルエーテルの合成

図2. エチレングリコールモノエチルエーテルの合成

エチレングリコールモノエチルエーテルは、塩基存在下でオキシラン (エチレンオキシド)  とエタノールを反応させることにより合成されます。これは、ごく一般的なエーテルの合成方法です。

2. エチレングリコールモノエチルエーテルの化学反応

エチレングリコールモノエチルエーテルの化学反応

図3. エチレングリコールモノエチルエーテルの化学反応

エチレングリコールモノエチルエーテルは、水以外にもアルコール、アセトン、エーテル、液体エステルと混和し、pKaは14.8です。ジケテンと反応し、アセト酢酸2-エトキシエチルを与えます。この化合物もまた、溶剤、可塑剤、樹脂安定剤に利用可能です。

このように、エチレングリコールモノエチルエーテルは、一般のアルコール同様にヒドロキシ基で反応します。誘導体には、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどがあります。

エチレングリコールモノエチルエーテルの種類

エチレングリコールモノメチルエーテルは、エーテル類溶剤として化学メーカーで広く取り扱われています。溶剤製品は「エチルセロソルブ」の製品名で販売されていることが多く、容量は4L , 16L , 15kg , 190kgなど様々な製品があります。

特に一斗缶で流通している場合が多く、190kgの場合はドラム缶などの荷姿です。常温で保管されます。また、化学合成用の試薬製品としては、500mLなどの低容量製品も存在します。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/110-80-5.html
https://www.env.go.jp/chemi/report/h17-21/pdf/chpt1/1-2-2-01.pdf

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