刻印

刻印とは

刻印(英語:Carved Seal、 Engraved Stamp、 Marking)は、金属版や皮革などに文字や数字を彫り込む作業に使用する工具です。刻印は「打刻された文字」を示している場合もありますが、ここでは「打刻するための工具」として説明します。

細い棒状の部品の先端に、凸状に文字や数字の型が付いていて、先端の型部分を金属板や皮革に押し当て叩くことで、打刻します。刻印は、1文字で1本のため打刻する文字や数字分の本数が必要になります。

最近では、レーザー加工機の発展により刻印を使用する機会は減ってきてはいますが、少量の銘板製作などの現場では現在も使用されています。

刻印の使用用途

刻印の用途には、下記のようなものがあります。

  1. 機械製品の銘板やネームプレートに、製造番号や製品個体管理番号、製造年月、寸法、仕様などを打刻します。
  2. 皮革製品に製造者名やブランド名を打刻します。

1)項については、製品個体の製造履歴管理(トレーサビリティ)の情報として、製品の品質管理においては大変重要になります。

ハンマーなどで手打ちして使用する場合は、必要な文字分の刻印を並べてホルダーに取り付けて打刻することで、作業時間を短縮し、刻印文字を整列させ、均等の力で打刻できます。そのため、仕上がりがきれいになります。

刻印の選び方

刻印の選定には、下記のようなポイントがあります。

  1. 正文字と逆文字
    刻印には、「正文字」と「逆文字」があり、「正文字」は、印鑑と同じように打刻した向きそのままで文字として判別できる状態になるもので、「逆文字」は、打刻した向きでは文字が裏文字(逆文字または鏡文字)なっていて、そのままでは読める状態ではないものになります。

    「正文字」は、主に銘板などに使用されます。

    「逆文字」は、主に金型などに使用され、金型に打刻して製作した製品の状態で読める正の文字になります。

  2. 先端形状
    刻印の先端形状は、用途によってさまざまな形状があります。

    a. 刃刻刻印(標準的なもの)は、文字型の先端が鋭角にとがっていて、打刻の入りに優れていて、金属の打刻に適した形状です。

    b. ベタ刻印は、文字型の先端が平坦な形状です。

    c. ローストレス刻印は、文字型の先端が丸く、低応力で打刻でき相手側に負荷をかけない形状です。

    d. 点字ローストレス刻印は、文字型の先端形状が、点字になっているもので、点字とローストレスを組み合わせた点字ローストレス刻印があります。

  3. 文字サイズ(文字高さ)
    数種類の文字サイズ(文字高さ)があり、必要な文字サイズを選定します。サイズの例としては、文字高さの寸法が 1.5 mm~16 mm などがあります。

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