チゼル

チゼルとは

鏨(タガネ)の英語で、チゼル(chisel)とは、鑿(のみ)も表わします。

チゼルはボルトの錆びた部位を切断したり、スポット溶接の剥がし用途に使用します。鋼板を切断加工する時や曲げ加工する時は、タガネの名称を区分しています。電動や油圧ブレーカーを利用して取り付けて使用する場合は、チゼルという事が多いです。

チゼルの主な用途は、はつり作業、バリ取り作業、溶接部の表面剥がし作業などです。

チゼルの使用用途

チゼルは、下記の作業で使用します。

  • アーク溶接のバリ取り
    アーク溶接(放電現象を用いた溶接方法)では、作業時にスパッタと呼ばれる金属粒子(溶融物)が飛散付着します。このスパッタは表面品質低下となるため、チゼルで塗装をする前に取り除きます。
  • コンクリートのはつり作業
    チゼルは、解体工事、新築やリフォームの現場でコンクリートを削ったり、穴を開ける時に使用します。正確性が要求される作業や、ブロック組み立て、タイルを組む際の石材をカットする時に使用することが多いです。
  • スポット溶接の剥がし
    スポット溶接(鉄板に電気を流し、その電力抵抗を用いて圧接する方法)は、溶接部位が少なく大量生産に向いていることから、自動車のシャーシーなどで用いられています。自動車の板金塗装では、このスポット溶接の表面部を剥がす必要があります。板金用のチゼルは、シャーシー構造の狭い間隙にも挿入して作業できるよう工夫されています。

チゼルの選び方

  1. 種類:チゼル・タガネは、大きく分けて以下の5種類が有ります。

    ①平タガネ
    タガネの中でも最も一般的で、マイナスドライバーを大きくしたような形です。主にコンクリートのハツリ作業などに使用しますが多用途に使用可能です。

    打撃ヘッドに加えた力を小さな範囲へ効率的に伝えるため、正確な溝彫り・削りもできます。一方、レンガやブロックの切断・破砕には適しません。

    ②レンガタガネ
    刃が大きく、打撃ヘッドの力を均一に伝達できるため、耐火レンガのように硬く幅広なブロック類を割る用途の使用に適します。日本のレンガは幅60mmとJIS規格で定められているため、それよりもやや大きめな刃幅を選ぶことをお勧めします。

    ③カットチゼル
    ブロック、レンガ割りやPタイルなどのはがしなどのハツリ作業に適します。舗装された道路に標示してある白線のはがしにも使用します。

    ④スロットチゼル
    スロットチゼルは、板金作業、バリ取りや、ボルト切断などに使用します。持ち手が板状なので、タガネと違ってハンマーで打ち付けても刃先の回転を起こさず、正確な溝を刻めます。持ち手から刃先まで幅・厚みがあまり変わりません。

    ⑤チスタガネ
    杭状のタイプです(チスと呼ばれることもあリます)。力が一点に集中するので、ハンマーを軽い力でも加工ができます。とくに、コンクリートへの穴あけ・溝作りに向いています。破砕もできますが、切断には向きません。

  2. サイズ:用途に会わせてサイズを選ぶ
    全長は、基本的に短い方が扱いやすく、持ち運びも便利です。ただし、ブロック切断では勢い余って手を打ち付ける可能性があります。用途により使いやすい長さを選んでください。
    幅は、レンガ・ブロック切断では一度に切った方が切断面が綺麗なので、刃幅80~100mmなどの広い方がおすすめです。

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