ケーブルカッター

ケーブルカッターとは

ケーブルカッターとは、ケーブルを切断するための工具です。

刃が2枚付いており、はさみのような形状をしています。配線を切断する用途の工具にニッパーがありますが、ケーブルカッターの方が太いケーブルを切断できます。

ケーブルカッターの使用用途

ケーブルカッターは、主に電気工事に使用されます。芯線が細い場合は、ニッパーを使用する方が取り回しが簡単です。

したがって、ケーブルカッターは太い配線を切断するために使用します。特に芯線断面積が38mm2以上程度であれば、ケーブルカッターの方が切断が簡単です。

また、ケーブルカッターは多芯線をまとめて切断することも可能です。配線撤去工事などでは配線を端から切断しながら撤去していく場合があります。このような場面では、多芯をまとめて切断できるケーブルカッターを重宝します。

ケーブルカッターの原理

ケーブルカッターは刃、ハンドル、機構部分などで構成されます。

1. 刃

ケーブルカッターの刃は、はさみと同様に2枚です。鉄製の2枚刃を上下から噛み合わせてケーブルを切断します。また、刃はくちばしのような形状となっており、ケーブル内部の線形状を可能な限り変形しないように配慮されています。

2. ハンドル

ハンドルは手持ちして力を加える部分です。てこの原理で刃先に力が強く加わるようにハンドルの方が刃よりも長くなっているのが特徴です。また、滑り止めや緩衝の目的で表面にゴムやビニールが塗布されています。

3. 機構部分

機構部分は、刃先に力を加えるための部分です。歯の根元をねじやリベットで留めて、てこの原理における支点の役割を果たします。ハンドルが自然と開くように補助するばねが付いている場合もあります。

ケーブルカッターの種類

ケーブルカッターには手動式、ラチェット式、電動式などの種類があります。

1. 手動式

人力によってケーブルを切断する方式のケーブルカッターです。原理は上述の通りはさみと同様で、ケーブル太さが比較的細い場合に使用します。ストリッパ電工ペンチと同様に芯線のみを残せる形状を持つ製品も存在します。

2. ラチェット式

ラチェット機構を持つケーブルカッターです。ケーブルを挟みこんだ後に、ハンドルを握るごとに上刃が下刃に少しずつ近づいてきます。複数回握ることでラチェット機構が終端となり、ケーブルを切断できます。

ラチェット式の方が手動式よりも小さい力でケーブルを切断可能です。したがって、銅線直径が100mm2あるような太いケーブルではラチェット式を使用します。

3. 電動式

電動式はバッテリーとモーターによって切断するケーブルカッターです。内部に油圧ポンプを有し、油圧によってケーブルを切断します。力を加えずともケーブルを切断できますが、重量が重い特徴があります。

ケーブルが太い場合はラチェット式でも切断が難しい場合があります。そのような場合には電動式が有効です。

ケーブルカッターの選び方

ケーブルカッターを選ぶ際の留意点として、以下の3つが挙げられます。

1. 種類

上述の通り、ケーブルカッターには複数の種類があります。切断するケーブルの太さに応じて種類を選定します。

細いケーブルの切断では手動式などを使用し、太いケーブルの切断ではラチェット式または電動式が有効です。

2. 切断能力

ケーブルカッターには基本的に切断能力が記載されていることが多いです。これらはケーブルカッター自体のサイズや刃の形状などによって大きく異なります。

「〇〇線△φmm」などと記載されることが多く、直径△mmの〇〇素材の線まで切断が可能という意味です。切断能力の記載と自分が切断したいケーブルを照らし合わせて選定します。

3. 絶縁タイプかどうか

ケーブルカッターの中には、絶縁タイプのものがあります。切断する電線は無電圧状態で作業することが一般的ですが、絶縁タイプの製品を選定すれば万が一架電状態でも感電の危険が減少します。

ケーブルカッターのその他情報

ケーブルカッターの使い方

ケーブルカッターの基本的な使い方は、ニッパーやはさみと同様です。まずはケーブルの切断したい長さを決め、そこにケーブルカッターをあて挟み込みます。

てこの原理で補助されるため、グリップ部を握るだけでケーブルが切断されます。この際、ケーブルの芯材によって切れやすさなどが異なります。

芯材よりも弱い刃を使用してしまうとケーブルカッターを傷めることになるので注意が必要です。

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