銘板

銘板とは

銘板

銘板 (めいばん) とは、会社名・製品名・製造番号などを金属板に彫り込み、凹凸処理などを施し、文字を記述した板のことです。

製品の概要を目視で認識し管理するために使用します。日本産業規格「JIS Z 8304 銘板の設計基準」によれば、銘板とは「金属、プラスチックまたは紙を素材とし、必要な事項を容易に消えない方法で表示したもの」です。日本電機工業会では、「JEM 1172 配電盤・制御盤取付用銘板」に配電盤制御盤の表面に取り付ける樹脂または金属製の名称銘板および用途銘板を規定しています。以下に、銘板の使用用途・性質・種類を詳しく解説します。

銘板のサンプル

図1. 銘板のサンプル

銘板の使用用途

銘板は、メーカーが製品情報を製品に銘板として貼り付けることで、設備管理における製品の識別票として使われています。このため、あらゆる産業用・工業用の製品に銘板が使用されています。例えば、産業用の装置や機械に使われる銘板を見れば、製造会社名、装置機器名称、型式、製造番号、製造日などが確認可能です。

金属板を黒色に染め、そこに文字として識別情報を彫り込んだものは「エッチング銘板」と呼ばれます。ビルディングなどの建築構造物には、ビルディングの名称、完成日を、また橋梁などの土木建築建造物・構造物には、橋梁の名称、河川名、完成日などの文字情報を金属板に凹凸で表したのが「鋳造銘板」です。自動車のエンジンルームにも、車両型式、車体番号など記述された銘板が貼り付けられています。また制御装置などには、アクリル板に装置名、操作名称などを彫り込んだ板の「アクリル銘板」などを貼り付けることも多くあります。

銘板の原理

銘板は、長期間製品の情報伝達を担う重要なアイテムです。温度変化が激しい環境や、長時間直射日光にさらされる過酷な環境での使用をあらかじめ想定して設計されています。使用環境に応じて適切な基材を選択し、銘板の耐久性・耐候性を持続的に確保できれば、長期間にわたる使用が可能です。

また銘板は、情報を明確に表示する視認性や、必要な場合に素材や表示方法、文字内容などを変更できるカスタマイズ性が大切です。間違いなく情報を伝達できるよう、文字の大きさや色、背景とのコントラストなどを工夫します。

銘板の種類

銘板は、板の材質や文字の表示や製作方法によりいくつかの種類があります。

1. 板の材質による分類

板の素材としては、金属、樹脂、紙などの材質が使用されています。銘板の使用環境や製作方法などを考慮して素材を選定してください。例えば、屋外で風雨や直射日光にさらされ高温や低温の環境にあるような場合は、金属板を使用します。屋内などの温度が一定で特に高温や低温ではない場合は、アクリル板を使用するのが一般的です。紙などに名称や番号を記したものを、制御装置の端子台などに挟み込んで使用する場合もあります。

2. 文字の表示や製作方法による分類

文字の表示や製作方法は板の素材により変わってきます。
金属板の場合、エッチング銘板が代表的です。ステンレス、アルミニウム、真鍮、などの金属板の表面を薬品処理して腐食 (エッチング) し、そこにできた凹部に塗料を入れて、文字や線、図柄を表現します。他には鋳造銘板があります。木型や砂型で文字を記した型を製作し、その中に高温で溶かした金属を流し込み、冷却して固めて作る方法です。アクリル板 (または各種樹脂など) に文字などを彫り込み凹凸で表現しているアクリル銘板、アルミニウム材にアルマイト処理をして染料を浸透させるアルマイト銘板などもあります。

銘板のその他情報

使用上の注意点

銘板は経年劣化すると自重に耐えきれず落下する場合があり危険です。金属板を取り付ける際には、取り付け用の治具の耐久性も考慮してください。定期的に劣化の状態を検査し、必要があれば取り換えたり、より耐久性の高い部品を採用します。アクリル樹脂板を使う時は、可燃性のため火気のない場所に設置します。直射日光や温度の高い空気との接触を避けてください。

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