マグネシウム燃料電池

マグネシウム燃料電池とは

マグネシウム燃料電池は、電気の化学反応によって電気を生み出す燃料電池の種類で、負極にマグネシウムを用いて酸素と海水などの塩水によってマグネシウムを溶かして電気を発生させる仕組みの燃料電池です。

電気自動車などで主流となっているリチウムイオン電池と比べて同じ体積あたりのエネルギー取り出し量が多く、発電効率が高いことと、マグネシウムは海水から豊富に採取できるため、石油燃料に替わる代替燃料として注目されています。

マグネシウム燃料電池の使用用途

主に災害時の非常用電源としてスマートフォンやラジオの充電、LEDランタンのバッテリーに使われています。

また、燃料が切れた場合、反応した部分だけを新品に替えることで新しい燃料を供給でき、体積あたりのエネルギー密度が高いことから将来的にはドローンのバッテリーにも使用されることが想定されています。

さらに希少金属を使わない環境負荷の低さから、将来的には電気自動車のバッテリーとして使用することを想定し、研究が進められています。

マグネシウム燃料電池の特徴

現在主流となっているリチウムイオン電池と比較すると、マグネシウム燃料電池はコストや環境負荷、安全性に優れています。

また、化学反応を起こしたマグネシウムは水酸化マグネシウムとなりますが、太陽熱を当てると還元反応でもう一度マグネシウムとして再利用できることから、リサイクル性も高いです。

安全面では、電解液に塩水を使用するため、爆発する危険性が少なく、電解液を入れない限りは自己放電しないため、未使用状態の保存性が高いです。

さらに発電時にはCO2を排出せず、音も発生しないので環境負荷も少ないです。

マグネシウム燃料電池のデメリットは、基本的には使い切りの一次電池が実用化されている一方で、マグネシウムイオンを最適に充放電を繰り返すための特性を持つ正極の材料が開発段階にあるため、二次電池としての実用化にはまだ至っていないことが挙げられます。

また、生産量が少ないためコストが割高になっています。

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