球面すべり軸受

球面滑り軸受とは

球面滑り軸受

球面滑り軸受は、内輪と外輪を球面で接触させた構造をもつ軸受です。転がり軸受と異なり転動体がないため、面接触による滑り軸受けになります。球面滑り軸受には種々の形式がありますが、滑り面の種類によって給油式と無給油式とに大別できます。

球面による滑り接触のため自動調心を行うことができ、また、その構造からラジアル方向と両軸方向のアキシャル荷重を同時に負荷することができるうえ、低速重荷重に強いという特徴があります。

球面滑り軸受の使用用途

面接触であることや転動体がないことなどの理由から大きな荷重を受けることができるため、主に低速で重荷重がかかる場面で使用されます。反面、面による接触であることを理由に、給油等により発熱を抑えた状態であっても高速回転の環境下で使用されることはあまりありません。

シリンダロッドエンドに使用されることが多いので、ロッドエンド付きやロッドエンドと軸受が一体形となっているタイプをラインナップしているメーカーもあります。

球面滑り軸受の原理

球面滑り軸受は内輪と外輪を球面の滑り部分で接触させることで軸を保持します。接触面となる箇所を球面が滑ることで摩擦を起こすことなく軸を保持することができますが、メンテナンス不足や使用条件によっては偏摩耗を起こすことがありますので注意が必要です。

球面滑り軸受は、その構造から給油できるタイプと無給油のタイプに分別することができます。給油できるタイプは、内輪を組み込むための溝を持ってないため集中荷重を受ける箇所がないなどの理由から負荷可能な荷重を大きくすることができ、衝撃や繰り返し荷重を受けることが可能です。対して無給油のタイプは、油切れを起こすことがないため、高速回転化や耐摩耗性に優れます。

また、球面滑り軸受は組立の際は内輪と外輪、取付の際は軸とハウジングを寸法公差で指定する必要があります。そのため、寸法公差の選定ミスにより不均一に負荷がかかることになると、軸受の変摩耗や変形を起こして振動や軸受の寿命を縮める原因となります。

参考文献
https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/5301.pdf

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