乾熱滅菌器

乾熱滅菌器とは

乾熱滅菌器

乾熱滅菌器とは、加熱した乾燥空気により様々な器具に付着した微生物を殺滅する装置です。

電気式オーブンの中で100℃以上の乾燥空気を生成し、一定時間、器具に対して空気を暴露することで滅菌を行います。

滅菌条件(温度・時間)は対象とする菌の耐熱性を考慮して設定します。また器具本体の高い耐熱性も必要となります。

後述するバッチ式と連続式のいずれかの方法により、器具へと乾燥空気を暴露します。

多品種の器具を扱う場合にはバッチ式を用いて、器具ごとに滅菌のプロセスを行います。 

乾熱滅菌器の使用用途

乾熱滅菌器は、滅菌を要するガラス器具や軟膏、粉末などによく使用されます。

例えば、細胞の培養液では、微生物が混入した場合、液中に含まれる栄養分によって微生物が増殖する恐れがあります。

その結果、本来目的としていた細胞の培養を促進できないため、あらかじめ外部からの微生物の混入を防ぐ必要があります。

そのため乾熱滅菌器などを用いて、培養液にふれるガラス器具やメス、ピンセットなどは滅菌することが重要となります。

乾熱滅菌器の原理

乾熱滅菌とは、加熱した乾燥空気を用いて様々な器具に付着した微生物を熱的に殺傷する手法のことです。

比較的高い耐熱性をもつガラスや金属、繊維製品といったものに対して使用することができます。

同様の手法として高圧の飽和水蒸気を用いた高圧蒸気滅菌がありますが、乾熱滅菌であれば水蒸気に触れてはならない器具であっても使用可能です。

乾熱滅菌器を用いた一般的な滅菌条件は160℃で90分、または145℃で45分程度です。

乾熱滅菌器には、加熱方法に応じてバッチ式と連続式とがあります。

バッチ式では、一つの容器中で非加熱物を熱処理するのに対し、連続式では、ベルトコンベアなどの上に被加熱物を置き、炉の中で加熱する方法です。

バッチ式は熱処理後に製品を取り出すため、炉内温度が低下するなど効率は低下します。しかし、異なる条件で複数回の滅菌を行うことができるため、多品種を処理する場合に適しています。

一方、連続式では少品種を大量に熱処理する場面に適しています。

参考文献
https://www.yamato-net.co.jp/word/38/
https://www.as-1.co.jp/academy/21/21-3.html
https://www.pmda.go.jp/files/000162232.pdf

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