ピッキングカートとは
ピッキングカートとは、ピッキング作業の際に利用するカート (台車) のことです。
一般的な台車機能だけのカートから、ピッキング指示の表示画面やバーコードリーダーが付属しているカートや、無線LANで上位の管理システムと連携してピッキング作業を支援する機能を持つカートなど、さまざまなタイプがあります。
ピッキングは、倉庫や工場などで伝票やリストをもとに商品や部品を取り出し、検品や梱包などの次工程へと受け流す作業です。後工程に続く大事な作業でありミスが許されないため、ピッキングの作業には正確性や速度が求められます。
ピッキングカートの使用用途
ピッキングは部品を製造現場に運んだり商品を出荷したりするために欠かせない作業なので、ピッキングカートは製造業や運輸・物流、小売店など、さまざまな産業分野の倉庫で使用されています。商品のサイズ・重量が小さく、出荷量も少ない現場では、カゴなどを用いたピッキング作業で十分間に合う場合もあります。
しかし、商品のサイズ・重量が大きく、一度の出荷する量も多い場合はカゴ程度では足りず、ピッキングカートが必要です。ただし、ピッキングカートはある程度の大きさがあるため、カートが通る幅のある通路を確保できない倉庫では使用できません。
ピッキングカートの特徴
ピッキングカートの基本機能は台車機能です。作業者は、ピッキングカートを押して商品保管場所まで移動し、紙のリストを見ながら商品を指示された数量だけカートに乗せて運ぶのが基本的な作業です。
個別の受注ごとに商品を取り出す摘み取り方式のピッキングの場合、ピッキングカートに複数の箱を設置することで、受注別に商品を仕分けしながら、複数の納入先の商品をまとめてピッキングすることができます。このような利用方法では、1件ごとに作業するより作業効率が向上します。
また、ピッキングカートにピッキング指示を表示する画面やタブレット端末、商品を検品するバーコードリーダーを付属することで、ピッキング作業の効率向上、ピッキングミスの防止、物流品質の改善などの効果が期待できます。
近年では、無線LANで上位の管理システムと連携し、ピッキングと同時に重量検品・数量検品を行えるピッキングカートや、倉庫内を完全自立走行で移動するピッキングカートなど、ピッキング作業をより高度に支援するピッキングカートが登場しています。
ピッキングカートの選び方
ピッキングカートの種類を選ぶ際は、以下の点を検討することが大切です。
1. 作業環境
ピッキングカートを効果的に利用するためには、倉庫や作業スペースのレイアウトや床の状態、通路の幅など、作業環境を評価する必要があります。ピッキングカートがスムーズに移動できるようにするために、障害物の除去や通路の整備が必要なケースも多いです。通路幅の確保が困難なときは、幅に応じたサイズのピッキングカートを選びます。
2. 使用目的
ピッキングカートは、さまざまな種類やサイズがあります。導入する前に、企業のニーズや作業プロセスに合ったピッキングカートを選択することが重要です。
3. 使い勝手
ピッキングカートを使用する作業者は、正しい使い方や安全な操作方法についてトレーニングを受ける必要があります。作業者には、ピッキングカートの操作方法や荷物の積み方、バランスの取り方、安全に使用するためのガイドラインなどを教育することが重要です。しかし、経験の少ない作業者でも扱うことができる操作性も重要なポイントです。
4. メンテナンス性
ピッキングカートは、定期的なメンテナンスと保守が必要です。定期点検や潤滑、部品の交換などを行い、ピッキングカートの状態を良好に保ちます。
参考文献
https://www.daifuku-logisticssolutions.com/jp/product/picking/cart/
https://www.daifuku.com/jp/solution/technology/picking/
https://www.teraokaseiko.com/jp/l/logistics/products/picking/