ソフトアブソーバとは
ソフトアブソーバとは、自動組み立て装置や搬送機械などの高速動作するユニットが出す衝撃や振動、騒音などを軽減する、油圧式の機械製品のことを指します。
同じような機能を持つ部品として、スプリングやゴム、空気圧を利用した機械製品があります。
ソフトアブソーバは油圧式であり、上記の他の衝撃吸収手段に比べて比較的小型で効率の良い衝撃吸収が実現であるため、機械設計者などが衝撃吸収手段として重宝しています。
ソフトアブソーバの使用用途
自動組み立て装置や搬送機械、工作機械や各種ユニットなど、あらゆる産業機械は生産性向上を目指し高速化されます。その弊害として、高速動作するユニットなどからは強い衝撃や振動、騒音などが発生します。このような現象は、場合によっては産業機器全体の性能を低下させる原因となり、結果として生産性向上が達成されない事態に発展しかねません。
これを解決するのがソフトアブソーバです。衝撃や振動、騒音の原因となっている箇所にソフトアブソーバを取り付けることでそれを吸収し、生産機器全体の性能低下を防ぎながら個々のユニット動作の高速化が実現できるようになります。
ソフトアブソーバの原理
ソフトアブソーバが衝撃や振動、騒音を軽減する原理を説明します。これらを軽減することは、つまり衝撃や振動、騒音のエネルギーを吸収することと同義です。
ソフトアブソーバは大まかに以下の部品から構成されます。
- ピストンロッド
- ピストン
- 圧力室オイル
- オリフィス
- インナーチューブ
物体がピストンロッドに衝突します。そうすると、その動きはピストンによって圧力室内のオイルに伝達します。そして、圧力室内のオイルはインナーチューブに設けられたオリフィスから流れ出し、その時圧力室内には圧力(油圧)が発生します。この油圧によって抵抗力がうまれ、ピストンを通して物体に押し返す力が働きます。その結果、衝突してきた物体にはブレーキがかかり減速されるのです。圧力室内に発生する油圧は、オリフィスの大きさ、オイルの粘度が一定であれば、衝突する速度の2乗に比例して大きくなります。これを速度2重抵抗と呼びます。
参考文献
https://www.takachiho-kk.co.jp/prod/mechanical/damper/soft/soft_sp/