チャックとは
チャックとは、機械加工機や組み立て自動機などにおいて、加工対象の材料 (ワーク) や加工ツールを把持するために用いる機械駆動部のことです。
具体的には、ロボットアームなどに取り付けられる電動ハンドや、フライス盤やボール盤の刃物を固定する部分を指します。
チャックを動作させることで、ワークを移動させたり加工したりといった仕事が実行できるようになるため、用途によってさまざま種類が存在し、取り付け方法も複数存在します。
チャックの使用用途
チャックは、それを用いて何を実現したいかによって用途が変わります。代表的な用途を以下に示します。
1. 加工対象の材料 (ワーク) を把持する場合
ロボットアームなどのハンドとして、チャックが使われます。ワークを傷つけずに把持したいときには、チャックの先端にシリコンなどを装着し、小さく把持力を制御します。このように、目的に合わせてさまざまな工夫が施されます。
2. ワークを加工するツールを固定する場合
例えば、フライス盤やボール盤でワークを加工する刃物を固定するためにチャックが使われます。
チャックの種類
チャックはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。代表的なチャックとその特徴を以下に示します。
1. スクロールチャック
内部にスクロール状のカムがあります。全ての爪が連動しており、一箇所のハンドルを回転するだけで全ての爪が同時に駆動します。全ての爪が連動して同じ動きをするため、例えば円筒形ワークを把持する際に適しています。
2. インデペンデントチャック
スクロールチャックに対して、全ての爪が独立して駆動するチャックがインデペンデントチャックです。それぞれの爪が独立しているため、爪ごとに動作量を設定できます。複雑な形状をしたワークを把持する際に採用されます。
3. マグネットチャック
電磁石や永久磁石を用い、磁力で吸引することで固定するチャックです。
4. 真空チャック
真空状態を作り出し、その力で対象物を把持するチャックです。軽いワークや小さいワークを把持したい時や、硬い爪だとワークを傷つけてしまう恐れがある場合などに使用されます。