ロッカスイッチとは
ロッカスイッチとは、操作ボタンの形状が両端を交互に押すことで、シーソーのようにオンオフできるスイッチのことです。
名前の由来として、操作ボタンの動きが上下に揺れるように見えるため、揺れるを意味する英語の「rock」から名づけられています。また、操作時の動きからシーソースイッチと呼ばれることもあります。
ロッカスイッチは電子部品のスイッチの1種で、さまざまな電子機器のオン/オフなどの操作に用いられています。操作すると「カチッ」と操作した手応えがあるため分かりやすいのが特徴です。また、操作ボタンがそのまま電子機器のオン/オフ状態を示すことができるので、操作後のスイッチの状態から視覚的に電子機器のオン/オフ状態がわかります。
ロッカスイッチにも種類があり、1度スイッチが押されてから押された状態を保持し続けるオルタネート型と、スイッチを押し続けている間だけ状態が保持され、スイッチが押されなくなると元に戻るモーメンタリ型が存在します。
ロッカスイッチの使用用途
ロッカスイッチは、さまざまな電子機器の電源オン/オフなどのボタンに広く使用されています。使用例は、コンピュータや複写機、プリンタなど、家電製品からPC周辺機器、事務機器、業務用機器の電源スイッチなどです。住宅の照明のオン/オフスイッチにもよく用いられています。
ロッカスイッチの種類は数多く、操作部の形状や色、スイッチの大きさや操作時のクリック感の有無まで多種多様です。その他にも、スイッチ部が照光するタイプやスイッチに流せる定格許容電流も100アンペアを超えるような大電流にも対応できるなど、用途を考慮したうえで適切な製品を選定する必要があります。
ロッカスイッチの原理
ロッカスイッチは、操作ボタン、弓ばね、内蔵ケース、カバー、接点端子などで構成されています。
1. 操作ボタン
操作ボタンは、オンオフを切り替えるときに人が操作する部分で、丸型や長方形型等の様々な形状や種類があります。上面にオン/オフの状態を示す印字があるや、印字ではなくオン側だけに突起がついているようなタイプもあります。内部の弓ばねに接続されています。
2. 弓ばね
弓ばねは、板ばねを弓状に曲げた部品です。操作ボタンをオン位置にすると、可動する接点側が固定接点側に移動し高い接触力を発生させて接触状態を安定させます。
操作ボタンをオフ位置にすると、可動する接点が固定接点から引き剥がされる様に動くことで電流の流れを止めます。可動する接点が引き剝がされる様に動作するため、接点同士の溶着や電蝕の発生を防止できるのがメリットです。
3. 内臓ケース・カバー
内蔵ケース・カバーは、弓ばねや接点端子などを収納し内部を覆うケースやカバーで樹脂製のものが一般的です。
4. 接点端子
接点端子は、スイッチの端子部で外部の電子回路と接続される部分です。スイッチが3極など多極に渡る場合は、1つの端子が分配されて2つの端子と接続していたりするため、使用する前に内部の回路構造をよく確認しておくことが重要です。
確認を怠ると、ショートなどが発生する可能性があります。
ロッカスイッチの種類
ロッカスイッチの種類として、スイッチを押した際の挙動が変化します。大きく分けて、
1. オルタネート型
一般的なスイッチにある、1度押すことで押した状態が保持されるタイプです。反対側を押すまで状態が保持されるため、電源ボタン等の状態を長く保つ時に使用されます。使用例として、家の照明スイッチなどが挙げられます。
2. モーメンタリ型
モーメンタリ型は、スイッチを押している間だけ接点が接続され、手を離すことでオフの状態に自動的に戻るタイプです。オルタネート型と違い、こちらはスイッチを入れている間だけ動作するようにしないと危険な場合によく用いられます。
使用例として、電気ポットのお湯を出すボタンや電動ドリルの作動ボタンなどが挙げられます。
ロッカスイッチは主にオルタネート型が広く用いられていますが、モーメンタリ型・オルタネート型どちらも用途に合わせて適切なタイプを選定する必要があります。