メモリとは
図1. メモリの概要図
メモリとは、様々なデータやプログラムを記録するために使用する、半導体で構成される記憶装置のことです。
今日のコンピュータのほとんどは、ノイマン型と呼ばれる構成でできています。ノイマン型とは、米国の数学者ジョン・フォン・ノイマンによって提唱されたとされています。ノイマンが提唱した方式はプログラム内蔵式コンピュータと呼ばれ、プログラムをコンピュータ上の記憶装置 (メモリ) に入れて、命令を1つずつ実行する方式です。
メモリはデータやプログラムを記憶しCPUとやり取りを行う装置であり、コンピュータの構成として重要な機能を担っており、現在の電子機器のあらゆるものにメモリが搭載されています。
メモリの使用用途
図2. コンピュータの構成要素
コンピュータは、主にCPU (中央演算装置) とメモリ (記憶装置) とHDD (ハードディスクドライブ) で構成されます。プログラムの命令やデータのやり取りをCPUとメモリでやり取りしながら処理を行います。そのため、CPUを搭載している電子機器のほぼ全てにメモリが搭載されています。
コンピュータの機能は以下の5つです。
- 入力機能
マウスやキーボードなどから入力を行います。 - 出力機能
プログラムによる処理結果をモニタ等に出力します。 - 記憶機能
プログラムやデータなどの記憶を行います。 - 演算機能
四則演算や比較処理を行います。 - 制御機能
プログラムに従い、入力装置、出力装置、記憶装置、演算装置などのコントロールを行います。
メモリの記憶容量は、作業机の広さに例えられます。メモリの容量が大きければ大きいほど (作業机が広ければ広いほど) 、複数の作業を並行して行うことが可能です。
メモリの容量が小さいと記憶できないデータは一旦HDDに書き込まれますが、HDDからのデータの読み出し/書き換えはメモリに比べて時間がかかるため、全体の処理速度が低下してしまいます。
メモリの原理
メモリは、半導体で構成される記憶装置のことで、機能や形態によってRAMとROMに分類されます。一般的にはメモリとはRAMのことを指します。
1. RAM
図3. DRAMとSRAMの比較
RAMはRandom Acess Memoryの略で、メインメモリとして使われます。CPUから頻繁にアクセスされ、プログラムやデータの一時保管を行うメモリです。CPUの作業用の領域といえます。RAMは揮発性メモリーと呼ばれ、装置の電源が切れるとそのたび消去されてデータは失われます。RAMにはDRAMやSRAMに大別されます。
DRAMはDynamic RAMの略称です。SRAMと比較して大容量ですが、動作はやや遅く、リフレッシュ/プリチャージといった電荷の再充電が必要というデメリットがあります。SRAMよりも安価で大容量なので、一般的なPCのメモリにはDRAMが使用されます。
SRAMはStatic RAMの略称です。Static (静的) とあるように、電荷の移動がないことが特徴です。DRAMと比べて高速で使いやすいですが、容量は小さくなります。高速に動作する特徴を生かし、CPUのキャッシュメモリにはSRAMが使用されます。
2. ROM
ROMはRead Only Memoryの略語です。名前の通り、読み出し専用のメモリです。ROMは不揮発性メモリで、電源を切ってもデータが消えません。そのためBIOSやHDDやルーターなど、内蔵ファームウェアを記録するためによく使用されます。書き込みができるかどうかで、以下の種類に分類されます。
- マスクROM
製造時にデータが書き込まれ、後からの書き換えはできないもの。 - EEPROM
内容の書き換えが可能なROMのこと。最近では、スマートフォンの内蔵メモリをROMと表記することがありますが、そのROMはこのEEPROMを指します。先だって開発されていたEEPROMを改良したものが、USB型などが普及しているフラッシュメモリです。
参考文献
https://ms-laboratory.jp/zai/etc/com/3/cm3.htm
https://www.pc-master.jp/words/ram-rom.html