表面実装型LED

表面実装型LEDとは

表面実装型LED

表面実装型LEDは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子のパッケージ形態の一種で、プリント基板に挿入孔を設けずに基板上のパターンに直接はんだ付けして実装するタイプです。

Surface Mount Device(表面実装部品)の略語でSMD LED、またはチップLEDとも呼ばれます。上面発光タイプだけでなく、横方向から光を出す側面発光タイプもあります。

古くからあるLEDパッケージの砲弾型に比べ、明るく、広い照射角度がとれること、小型で実装スペースが少ないこと、素子背面の素材・構造によって放熱効率を上げることができるなどのメリットがあり、現在、一般照明用LEDとして主流になっています。

表面実装型LEDの使用用途

表面実装型LEDは、明るく、広範囲に照射できるという特長から、天井照明、間接照明、デスクスタンド、センサーライトなどの一般照明器具のほとんどで使用されています。

また、製品の表面に実装できることから、デジタルカメラやビデオカメラの操作パネル、リモコンなどにも使われます。

表面実装型LEDは他にも、自動車のヘッドライト、ルームライト、メーターなどのパネル、液晶テレビや液晶ディスプレイのバックライト、電飾など、幅広い用途に使われています。

表面実装型LEDの原理

表面実装型LEDは、リードフレームに0.3mm角サイズのLED素子を固定し、LED素子と電極をボンディングワイヤで接続した後、エポキシやシリコンなどの樹脂で封止した構造をしています。

LED素子が発する光をパッケージの外に照射するために、封止材料としては透明なエポキシ樹脂やシリコン樹脂が使われますが、最近はガラス材料を用いたものも登場しています。

シリコン樹脂は、劣化による光の透過率低下のスピードが遅く、照明器具や液晶のバックライトなど高出力製品用のLEDに使われます。シリコン樹脂よりも劣化が早いと言われるエポキシ樹脂は、インジケータなど低出力製品用のLEDに使われます。ガラス材料の場合は、シリコン樹脂よりもさらに劣化が遅く、高い信頼性があります。

表面実装型LEDは一般照明用によく使われますが、照明には白色光が必要です。そのため、照明用の表面実装型LEDには、単色LEDの光を混合するなどして白色光を得る仕組みがあります。白色光を作る方法は主に次の通りです。

シングルチップ方式:青色LEDと青色光で励起されて黄色光を発する黄色蛍光体とを組み合わせる方法です。青色と黄色は補色関係にあるため、これを混色すると人の目に白色と感じる光を得ます。構造が単純で効率も高いので、現在主流となっている方法です。また、青色LEDと赤色蛍光体と緑色蛍光体を組み合わせ、光の三原色を混色してより自然な白色光を得る方法もあります。

マルチチップ方式:光の三原色である青色・赤色・緑色のLEDを組み合わせる方法です。LEDの色によって点灯電圧が異なるため、回路構成が複雑になります。 

参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/led

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