基板切断機とは
基板切断機とは、電子機器の製造に欠かせない基板を分割・切断する際に用いられる機械のことです。
主に、ルーター式と乾式スライサー式の2つの方式があります。ルーター式は、高速スピンドルモータに取り付けられたルーターを用いて基板やスリットを加工することが可能です。精密な加工が可能であり、多様な形状の基板に対応できる利点があります。
一方、乾式スライサー式は、直線切りで負荷をかけずにきれいな切断面を実現できることが特徴です。切断後の仕上がりが非常に美しいとされています。基板切断機は、表面に付けられたV溝やミシン目の違いによって、さまざまな方式が存在しています。
基板切断機は基板分割機とも呼ばれ、電子機器製造業界では非常に重要な役割を果たしています。適切な切断方法を選択することで、製品の品質向上や効率的な生産が可能です。
基板切断機の使用用途
基板切断機は、電子機器の製造において基盤を切削し、設計した形状に加工するために使用されています。ドリルやルーター、スライサーなどの工具を高速回転させて切削するタイプや、レーザーを用いて切断するタイプなどがあります。
また、作業者が直接操作する手動式のものや、設定によって自動的に工具が交換される自動交換機能付きのタイプも存在し、用途や業務の効率性に適した選択が可能です。基板切断機は、その多様な機能と適用範囲によって、電子機器製造業界において幅広い用途で活躍しています。
例えば、スマートフォンやパソコンなどの一般家電製品から、自動車や航空機の電子制御システム、さらには宇宙開発や医療機器まで、あらゆる分野で基板切断機が重要な役割を担っています。
基板切断機の原理
基板切断機は、電子機器製造において、同一シートに並んだ複数の基盤を分離するために使用されます。低負荷で切断作業が可能であり、ひび割れなどの損傷を防げるため、作業効率の向上につながります。
基板切断機の代表的な原理は、ルーター分割とレーザー方式の2種類です。
1. ルーター分割
ルーター分割は、モーターの高速回転を利用して切削工具を高速で動かし、基板に負荷を与えずに分割できます。精密な加工が可能で、多様な形状の基板に対応できます。
2. レーザー方式
レーザー方式は、無接触で切断ができるため、負荷が小さく、切屑も出ません。CADデータなどを利用して多品種の形状に対応することが可能です。また、レーザー方式は、高い精度と繰り返し性があるため、大量生産に適しています。
基板切断機のその他情報
基板切断機と併用される機械
基板切断機は、主に基板ドリリングマシン、基板スクリーニング機、SMT (Surface Mount Technology) 装置、リフローはんだ付け機、ウェーブはんだ付け機と併用されます。それぞれの機械が連携し、効率的で高品質な製品を生み出すことが可能となります。
1. 基板ドリリングマシン
基板ドリリングマシンは、基板に穴を開けるために使用される機械です。電子部品を取り付けるための穴や、回路同士を接続するための穴を精密に開けることが可能です。
2. 基板スクリーニング機
基板スクリーニング機は、基板上に印刷回路を形成するために使用されます。インクを使ってパターンを印刷し、電気的な接続を可能にする役割を担っています。
3. SMT (Surface Mount Technology) 装置
SMT装置は、表面実装技術によって電子部品を基板に実装するための機械です。部品の取り付け精度が高く、生産効率の向上に寄与しています。
4. リフローはんだ付け機
リフローはんだ付け機は、基板に実装された部品と回路の接続を固定化するために、はんだを加熱・冷却する過程で融解させて接続部分に付着させる機械です。
5. ウェーブはんだ付け機
ウェーブはんだ付け機は、基板上の部品と回路の接続を確保するために、はんだを使用して行うはんだ付けの工程で使われる機械です。ウェーブはんだ付け機は、特にスルーホール実装の部品に対して適用されます。
基板を溶融したはんだのウェーブ上に通過させることで、部品のリード端子と基板上のパッドがはんだで接続されます。
参考文献
http://www.tme-eng.co.jp/first/index.html
http://www.technitron.co.jp/new-info/substrate.html
https://www.epronics.co.jp/products_6_1/1_index_detail.php