誘導灯とは
誘導灯は、非常時に、避難経路を示した照明です。
人を多数内在する設備で設置が義務付けられており、具体的な設置基準は消防法施令第26条で定められています。
非常口付近の誘導灯には標識が付属しています。多くは緑色が背景で、人が扉から飛び出している絵で表現されており、日本国民に広く知られている標識の一つです。
誘導灯は寸法の違いで等級が定められており、A級、B級、C級があります。A級が寸法が最大で、C級が最小となります。建物の床面積によって、使用する等級が異なります。
誘導灯の使用用途
使用用途としては、地震や停電、火災の際に、第三者が安全な場所まで避難できるように設置されています。漢字を読む通り、避難経路を誘導する照明となります。
誘導灯には避難口誘導灯、通路誘導灯、客席誘導灯と使用用途が分かれています。避難口誘導灯は避難口があることを示し、通路誘導灯は、階段などで避難しやすくするために設置されます。客席誘導灯は客席の足元を照らし、点灯等を防ぎます。
また、建屋の大きさや階数、使用用途によって、誘導灯の大きさや数等が変化します。劇場やキャバレー、百貨店などの人が多く内在し、かつ巨大な建物にはA級の誘導灯が使用されます。また、倉庫などではB級、C級の小型誘導灯が使用されます。
誘導灯の原理
誘導灯は、主に標識部分、照明部分、電源部分で構成されています。
標識部分は、非常口付近の誘導灯では使用され、足元誘導灯等では省略されます。また、アクリル等の透過性の高い材質が用いられます。裏面から、照明部分の光を透過して、停電時にも見えやすくしています。
照明部分は、かつては蛍光灯等が使用されていました。安定器などを介して蛍光ランプを点灯させていました。しかしながら、水銀汚染防止法によって、微量の水銀を含む蛍光灯の多くは生産終了になりました。近年では、エネルギー損失が少なく、構造も簡単なLED灯が多く使用されます。LED灯は、発光ダイオード(LED)に電圧をかけることにより、光を取り出す装置です。LEDの種類によって光の色を変えられますが、誘導灯には主に白色光が使用されます。
電源部分では、普段は商用電源を受け入れて照明部分を発光させますが、停電時には電池部分とスイッチングして照明部分に電源を供給する仕組みとなっています。災害時に機能する誘導灯には電池で数十分動作することが義務付けられています。