シーケンサ

シーケンサとは

シーケンサ

シーケンサとは、プログラムで定められた条件や順序に従って機械の動作を制御する装置です。PLC(プログラマブルロジックコントローラー)とも呼ばれます。

シーケンサの語源は英語の「Sequence」で、これは順序や連続という意味の言葉です。機械を順序通り動かすものという意味で命名されました。近年のシーケンサは、圧力などのアナログ信号を制御したり、装置間の情報伝達を行ったりすることも可能です。

シーケンサの使用用途

シーケンサは主に産業で使用されます。使用用途は枚挙に暇がなく、発電所やごみ処理場などの重工業巨大インフラからマイクロチップを作る加工工場まで、多くの場面で目にします。シーケンサは主に機械装置を自動化したい場合に用いられます。シーケンサを用いることで機械が自動で反復動作を行うため、省力化が可能です。

洗濯機などの家電もシーケンス制御を行いますが、制御装置にはマイクロコンピュータが使用されます。量産される機械には、マイクロコンピュータを用いた方が経済的だからです。シーケンサは一品物の産業装置などに用いられることが多く、日常生活においては電車の運転席内で目にすることがあります。

シーケンサの原理

シーケンサは電源部、基板部、入力部、出力部、メモリ、演算部(CPU)で構成されます。シーケンサの内部駆動電源は直流微弱電圧です。AC100V~240V程度の商用電源を、電源部で直流微弱電圧へ変換します。

電源部から供給された電源を、基板部によって各部位に分配します。基板部には入出力信号を演算部から入出力部へ電送する役割もあります。センサーや押ボタン接点などからの入力信号がシーケンサの入力部へ電送されます。入力部の種類に応じて、接点デジタル信号や電圧アナログ信号などを入力可能です。

シーケンサ内では、演算部によってあらかじめ書き込まれたプログラムに基づき判断が行われます。演算部では、常にプログラムのスキャンが超高速で行われます。プログラムによって出力判断が出された場合、シーケンサの出力部から出力信号を発信します。

出力信号に応じて、モーターやランプなど機器を動作させます。出力信号も入力同様にアナログ出力やデジタル出力の発信が可能です。プログラムや入出力機器のオン・オフ情報に関しては、シーケンサのメモリに一時格納されます。プログラムはシーケンス回路をロジック化しているラダー図方式が頻繁に用いられます。

各社の機器ごとにプログラミングツールが存在し、それらを用いて編集します。シーケンサ内部では、アナログ信号もデジタル信号として扱われます。デジタル信号とは0と1のみで表されるデータを指し、アナログ信号とは1と0だけでなく連続したデータを表します。アナログデータの例としては、温度計圧力計などの計測機器が該当します。

シーケンサのその他情報

シーケンサを使用するメリット

シーケンサを用いる最大のメリットは、制御用配線の省力化です。デジタル入出力のみの場合、シーケンサを用いずにリレー回路で再現できます。ただし、複雑な制御でリレー回路を用いると、配線が複雑化して製作や保守に膨大な時間がかかります。複雑な制御においては、手間やコスト面からシーケンサを利用することが多いです。

近年では、自動データ収集や複雑な信号処理などもシーケンサで実現可能となりました。インターネットとEthernetポートで通信したり、PCと無線通信できる機器もあります。 電源や演算部の二重化なども可能となり、シーケンサの信頼性も一段と高くなっています。現在においてシーケンサは、産業場面に必要不可欠な存在です。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/26/283/index.html

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