L型包装機

L型包装機とは

L型包装機とは、半折フィルムを使って製品を包装・袋詰めにするための機械です。

包装する対象の製品がその機械に投入されると、反転フォーマーで半折になったフィルムを開口し、製品をその中に包み込んだ後に、開いている3辺をL型シールバーで抑えて加熱して密着させます。こうしてフィルムで作った袋の中に製品が密封されます。

L型包装機で包み込んだ製品の包装は、側面3辺にシール線ができることより、この包装の仕方を「三方シール方式」とも呼びます。インスタントラーメンのスープなどが、1辺を折り曲げて他の3辺を熱で接着した袋に入れられている例にもみられるように、多くの製品の包装に使用されています。

また、スーパーやコンビニ、ドラッグストアで売られている製品には、パッケージの外側に密着した透明のフィルムが付けられているものが多くあります。例えば、薬や食品の紙箱、歯磨きやシャンプーなどの容器などが挙げられます。そのフィルムが破られていないことで、その製品が出荷されてから以降は誰も開封しておらず、未使用の証になります。

このパッケージに密着したフィルムの包装は、熱を加えると縮むフィルムを使って、L型包装機と同等の機械で製品を包装し、それに続いてその製品を熱収縮トンネルの中を通して、短時間熱を加えることでフィルムを収縮させて行います。

製品のパッケージに密着させたフィルム包装を行う装置のことをL型シュリンクシステムと言います。本文では、L型シュリンクシステムのこともL型包装機の一種として記述します。

L型包装機の使用用途

L型包装機は半折フィルムを使い汎用性が高く、簡単な調整で様々な大きさや形状の製品の全体包装が可能であることから、広い業種の製品の包装現場で使用されています。但し、包装材としてフィルムを使用することから比較的軽い製品の包装に使用されています。

具体例としては、食品、菓子類、化粧品や医薬品、シャンプーや歯磨きなどの日用品、工業用の部品、ネジやナット類などがあります。

L型包装機の原理

L型包装機は包装材としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどを使用します。これらは、2枚重ねて熱を加えることで密着します。また、ある程度の強度があり、密閉性に優れたものを使用します。

これ等の包装材は多くの場合、ロール形状で供給され、L型包装機にとり付けられます。包装時には必要な長さを引き出して半折りにした状態で、被包装製品の投入を待ちます。製品が来たならば、反転フォーマーで半折になったフィルムを開口し、製品を包み込みます。

1. L型シールバー

製品を包装材で包み込むと、L型シールバーで熱を加えて、包装物を密封します。L型シールバーは、包装物の両端を同時に密封することができ、密封強度が高いのが特徴です。また、L型シールバーは、包装物の形状に応じて、シール幅を調整することができます。そのため、様々な形状の包装物を密封することができます。

製品をフィルムで包装した後に、熱を加えてフィルムを縮ませて製品に密着させる場合には、ベルトコンベアなどを介して、シュリンクトンネルという熱を当てるエリアに製品を移動してゆきます。なお、この包装のことをシュリンク包装と言います。

2. シュリンクトンネル

シュリンクトンネルは、フィルムを収縮させるための熱源や送風機などを内蔵した箱型の機械で、製品をベルトコンベアに乗せて中を通してシュリンク包装します。シュリンクトンネルで熱を与える方式には熱風循環方式や赤外線方式などがあります。

  • 熱風循環方式
    熱風を循環させてフィルムを収縮させる方式で、省エネルギー・省スペースに優れています。
  • 赤外線方式
    赤外線を直接フィルムに照射して収縮させる方式で、機長が短く、電気容量が少ないので経済的です。

なお、シュリンク包装は、中の製品の品質に影響を与えないように短時間で行わなければなりません。その一方で、シュリンク包装ではフィルムに皺が生じて製品パッケージの見栄えが悪くなり、そのままでは出荷できなくなることも起こり得ます。このような場合には、手作業で包装の修正をしたり、包装をやり直すなどの新たな手間が発生します。

シュリンク包装まで行う機械の場合、各メーカーが包装の修正ややり直しが生じないように、シュリンクトンネル内での加熱の仕方に様々な工夫をしています。

L型包装機の選び方

L型包装機には、多くの作業を手作業で行う簡単な機械から、シュリンク包装まで含めた大規模なものまで、様々な装置が市販されています。L型包装機の選択の際には、包装する製品の数量やスピードに合わせて、機械の性能や自動化の度合いを検討する必要があります。

また、包装する製品のサイズや形状に合わせて、L型シールバーのサイズや開閉方式を検討することが重要です。大きな製品や不規則な形状の製品は、四方包装機など別の方式を検討する必要も生じます。包装する製品の種類や特性に合わせて、フィルムの種類や厚さの選択も重要です。食品や医薬品などは、耐久性や透明度が高いフィルムが推奨されます。

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