薬注ポンプ

薬注ポンプとは

薬注ポンプ

薬注ポンプとは、薬液の定量注入に用いられるポンプです。

医療分野や研究分野などで、微量の薬品を正確に投与するために使用されます。高精度かつ正確な薬品投与が必要な場合に最適です。

病院や医療機関での使用が多く、種類豊富に展開されています。研究分野や工業分野でも、微量の液体を正確に注入する必要がある場合に使用されます。

薬注ポンプの使用用途

薬注ポンプは、医療や研究分野で広く使用されるポンプです。以下は薬注ポンプの使用用途一例です。

1. 医療用途

点滴や静脈内投与の際に使用されます。高精度で正確な薬品投与が必要な場合に最適であり、急性期医療から慢性期医療まで幅広い場面で使用される機器です。

また、自宅療養でも薬注ポンプが使用される場合があります。自宅での治療に必要な薬品を注入する場合や、糖尿病などの自己注射がその一例です。

2. 研究用途

微量な試薬の注入や薬剤の分注に使用されます。生化学的な実験や分子生物学研究などで重要な役割を果たしています。

3. 工業用途

工業においても薬注ポンプは多用されます。循環水を利用する冷却塔などは雑菌が繁殖してしまうため、薬注ポンプで塩素を用いた殺菌剤を定期注入したりします。製品への塗料の定期注入や樹脂原料の管理などにも使用されます。

食品工業や化粧品工業などでも重宝され、幅広い分野で利用されています。

薬注ポンプの原理

薬注ポンプは注射器のような動作をする機器で、流体を一定量ずつ確実に送り出します。内部のシリンジに薬剤を充填し、ポンプ部分が薬剤を押し出すことによって流体を定量排出します。

薬注ポンプを用いることで、薬剤の投与に必要な流量や時間などを正確に制御することが可能です。薬剤の投与が人力によって行われる場合は誤差が生じる可能性があり、投与される薬剤の量が増減します。

薬剤の定量測定は、ステッピングモーター・サーボモーターやコントローラによる制御で実現します。ダイアフラムなどの機械的な容積と動作回数で、コントロールする場合もあります。

薬注ポンプの種類

薬注ポンプは、主に手動式と電動式の2種類があります。手動式はバルブやプランジャーを操作して薬品を注入し、電動式はモーターを使用して薬品を注入します。産業用途では、電動式が広く普及しています。

また、構造から可変容量式と固定容量式の2種類があります。可変容量式は、薬品の注入量を調節することができます。一方、固定容量式は一定の量の薬品を定期的に投与するために使用されます。

薬注ポンプの選び方

薬注ポンプは、正確さと安全性が求められるため、選定には注意が必要です。まずは、必要な薬剤量に応じて薬注ポンプの容量を選びます。

また、薬剤に応じた適切なポンプ種類も選定する必要があります。薬剤の腐食性や粘度、安全性も考慮することが大切です。

薬剤が漏れた場合、作業者などの健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。したがって、過剰投与防止機能や異常発生時の停止機能などのセーフティ機能がある製品を検討します。

さらに、ポンプの使いやすさやメンテナンス性も選定のポイントです。作業員が簡単に操作できるように設計されているポンプや、分解・洗浄が容易なポンプが選ばれることが多いです。

薬注ポンプのその他情報

薬注ポンプの使い方

薬注ポンプは、気温の高い夏などにエアーが噛み込んで送液不可能となることがあるため、ガス抜きしなければならない場合があります。エア抜きプラグがある場合は、開放してエアーを抜きます。

また、内部が汚れたり噛み込んだりした場合は、分解・清掃が必要なケースがあります。分解時は薬品が残留している可能性があるため、ゴム手袋や保護メガネなどの保護具を着用しておくと安心です。

スケールやゴミは注入不良の原因となるため、部品を傷つけない程度にしっかり洗浄することが重要です。

参考文献
https://www.sankyo.jp/news/newspast/newspast_2005/newspast_20050816.html
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/42/
http://ph.eichitwo.com/?page_id=712

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