管用タップとは
管用タップとは、配管類を接続または結合するために使用される管用平行ねじや管用テーパねじのめねじのネジ加工ができる加工工具の一種です。
管用タップは、平行ねじ用とテーパねじ用の二種類に分類されます。平行ねじ用は機械的結合を主目的とするねじを加工する際に用いられ、テーパねじ用は水道やガス管など、水密気密を必要とするねじの加工での使用します。
管用タップは、配管の種類により様々な規格があるため、用途によりねじ規格、ねじ径、山ピッチを加工目的に合わせて選定します。
管用タップの使用用途
管用ねじには規格で決められた種類があり、JIS(ISO)管用テーパ用めねじRc(旧JIS PTねじ)と、JIS(ISO)管用テーパ用めねじRp(旧JIS Psねじ)、JIS(ISO)管用平行ねじG(旧JIS PFねじ)があります。
RcとRpはともにJIS管用テーパ用おねじRを取付けるためのめねじですが、Rcはテーパ形状でRpは平行形状となります。
その他にNPT等、頭にNが付いたアメリカ管用ネジ規格があります。JIS管用は山の角度が55°でアメリカ管用は60°となります。
管用タップの原理
管用テーパタップは、一般的な平行タップと異なり完全ねじ部でも切削を行うため、摩擦抵抗が大きく、ハンドタップの2~3倍の切削トルクが必要です。
管用テーパねじの加工には、タップの加工深さにより入り口の径が変わるため、適切に設定する必要があります。
図面要求のねじ長さにより、タップも長ねじ形か短ねじ形か、もしくはさらに短いねじ長さで加工するために特殊品タップを用いる場合があります。
テーパタップ PT1/8-28 TPT 長ねじ形の場合、基準径位置は約13 mmとなります。
テーパタップ PT1/8-28 S-TPT 短ねじ形の場合、基準径位置は約10.5 mmとなります。
テーパねじの基準径位置にも公差があり、タップを交換した際に、今までと同じ加工深さで加工を行うと管用テーパねじゲージに合格しない場合があります。 そのため、テーパタップを新品に交換した際は、都度、基準径位置を基準に、浅めに逃し加工を行い、ゲージで確認を行いながら合格するように加工深さの調整をするをする必要があります。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_machining/T0108000000/T0108050000/
https://faq.osg.co.jp/faq/show/4905?category_id=1&site_domain=default