サインバイスとは
サインバイスとはマシンバイスの一種です。マシンバイスとは材料を加工する際に材料が動くことが無いように工作機械のテーブル上に材料を固定するための道具です。この構造は万力に類似しており、2箇所を押さえて材料を固定します。
サインバイスとは材料を固定する際に所定の角度で傾斜を付けられる道具です。この傾斜角は1度から45度と幅広く、作業者が自由に設定できるようになっています。
サインバイスの使用用途
サインバイスなどのマシンバイスはフライス加工、穴開け加工、研削加工(平面研削)、研削盤加工といった、工作機械を用いた様々な加工工程の際に必要な道具です。このような加工は電動機械を用いて行うため、加工中に材料が動くことがないようにしっかりと固定することが重要になります。この道具は主に四角形の素材を固定することが多いです。
サインバイスは要求に応じて様々な角度に変えることができるため、精密に角度を規定した小物の加工にも適しています。
サインバイスの原理
前述の通り、サインバイスは角度を変えた状態で加工対象を固定することが可能な道具です。金属等の加工にも用いられるため、金属製のものが多く、角度範囲は0度から45度までのものが多いです。サイズは比較的小型であり、固定できる部位のスペースも小さいため基本的には小型の製品の精密加工に用いられます。角度を規定した状態で加工するための道具なので角度の精度は非常に高く設計されています。特に角度精度が高いものを「精密サインバイス」と呼ぶこともあります。
焼入れ処理が行われており、経年劣化、変化が少ないサインバイスも販売されています。また、加工時の摩耗、角度の変化が起こりにくいように設計されたものも販売されています。なお、サインバイスの中には正確な角度を用いるために三角関数表を使用するものもあります。角度を厳密に規定して加工を行いたい場合はこのような三角関数表の使用であったり、製品に応じた適切な角度の算出方法を予め確認すること、角度をつけて傾斜がある状態でも加工対象の材料が動かないようにしっかりと固定することが重要です。
参考文献
https://www.kousakukikai.tech/vise/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/result/?Keyword=%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9&isReSearch=1&relatedKeyword=1