ストランドバスとは
ストランドバスとは、プラスチックや合成樹脂、ゴムなどの押出成形工程で用いられる冷却水槽設備です。
押出機から成形されたストランド状 (細長い紐状) の製品を連続的に冷却し、所定の物性を得るための冷却を行います。ストランドの冷却では、水温や流速、冷却時間を適切に制御することで、成形品質と寸法精度の安定化を図れます。冷却速度が製品の結晶化度や機械的強度を左右するため、製品仕様に応じて精密な温度管理が必要です。
また、ストランドバスの材質や形状は、製造する製品の特性に応じて選定されています。近年では、衛生対応や耐薬品性に対する要求も高まっており、用途に応じた設計が進められています。このように、ストランドバスは押出成形工程において、最終製品の品質確保と生産効率の向上に重要な役割を果たします。
ストランドバスの使用用途
ストランドバスの主な使用用途を以下に示します。
1. 化学産業分野
高分子樹脂や合成ゴム製品を連続的に成形する際、ストランドバスは水冷により製品物性を安定化させる役割を果たします。
特に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の押出工程では、ストランドバスによる均一な冷却により、材料特性を安定化させることが重要です。
2. 自動車・電機分野
自動車部品や電線被覆などの製造現場では、押出成形機とストランドバスを組み合わせて使用します。
樹脂製ワイヤーやケーブル、細径チューブなどを冷却し、必要な曲げ強度や耐熱性、寸法安定性を確保します。工程の効率化や品質の安定化を図る現場で広く導入されています。
3. 樹脂加工分野
汎用プラスチックの製造現場や工業用ペレットの成形工程においても、ストランドバスが広く使用されています。
ストランド状の樹脂を連続切断前に均一に冷却することで、安定したペレット形状の形成や歩留まりの向上に貢献します。これにより、後工程の搬送効率や乾燥効率も改善できるため、中小規模の樹脂加工工場にも必需設備として導入されています。