静電容量式タッチパネル
静電容量式タッチパネルとは、タッチ操作によって電気的な変化を検出し、入力位置を認識するタイプのタッチデバイス製品です。
主に、指や導電性のあるスタイラスペンなどの接触により、パネル内部の静電容量 (キャパシタンス) の変化を感知して位置を特定します。
この方式の大きな特徴は、圧力を加えなくても軽く触れるだけで反応する高感度な操作性が得られることです。また透明電極なので画面の表示品質を損なわず、視認性の高い表示とタッチ入力を両立できる点も大きな利点です。
静電容量式には2つの構造があります。「表面型」は構造が単純でコスト面に優れますが、マルチタッチには対応していません。「投影型」は複数点同時入力やジェスチャー操作に対応しており、現在主流となっているタイプです。
静電容量式タッチパネルの使用用途
静電容量式タッチパネルはさまざまな製品や装置に採用されています。以下に代表的な用途を紹介します。
1. スマートフォン・タブレット
現在販売されているスマートデバイスのほとんどに搭載されているのが、投影型静電容量式のタッチパネルです。スワイプ、フリック、ピンチイン・アウトといった直感的な動作に対応し、操作性が極めて高いため、日常使用における快適さを大きく向上させています。
2. ノートPC・ディスプレイ端末
2-in-1型ノートパソコンやタッチモニターにも広く用いられ、ペン入力や手のひら検出といった高精度かつ多機能な操作を可能にしています。
3. 車載システム
自動車においても、ナビゲーション、オーディオ、空調操作といったさまざまなコントロールにタッチパネルが採用されるようになりました。反応速度の速さと耐環境性能の高さから、静電容量方式、特に投影型が選ばれることが多くなっています。
4. 医療・産業分野
操作中に手袋を着用することが多い医療機器や、油分・粉塵のある環境下で使用される産業用装置でも静電容量式が利用されています。表面に強化ガラスを使えば耐久性・耐薬品性が高く、安全性と衛生性が確保できるのがメリットの一つです。