プレーナー加工とは
プレーナー加工とは、バイトと呼ばれる切削工具を直線運動させて削る加工方法です。
主に金属に用いられ、工作機械の一種であるプレーナー (平削り盤) を使用します。ワークと呼ばれる加工物をテーブルに固定し、テーブルを往復運動させることで、刃物が一定の深さで材料を削り取ります。平面加工の精度が高く、長尺物や大型部品の加工に適しているのが特徴です。
旋盤やフライス盤では困難な大面積の平面加工が可能であり、機械部品、金型、構造部材などで幅広く利用されています。また、表面を平坦にする加工だけでなく、平面上に浅い凹形状や浅いR形状、段差をつけた加工も可能です。ヤスリでも平面加工は可能ですが、技量によっては緩やかな凹凸が発生するため、高精度な平面とするにはプレーナー加工が適しています。
プレーナー加工の用途
プレーナー加工は、以下のような用途で利用されています。
- 大型ワークの加工
- 薄肉ワークの切削
- 歪み・反りの少ない加工
1. 大型ワークの加工
プレーナー加工は、大型部品や長尺構造物の平面を高精度に削るのに適しています。テーブル全体を往復運動させることで、広範囲を一度に加工できるため、橋梁部材や機械ベッド、建設機械のフレームなどの大型ワークでも均一な仕上がりが得られます。
加工範囲が広いことで段差やムラが生じにくく、大面積の平面出しを効率的に行えるのが利点です。特に、フライス加工では時間がかかる大型平面の加工を短時間で高精度に仕上げられます。
2. 薄肉ワークの切削
薄い板材や変形しやすい構造物の切削においても、プレーナー加工は有効です。刃物の動作が直線的で、切削抵抗が一定であるため、薄肉ワークに過度な力がかからず、反りや歪みを抑えて均一に削ることができます。
特に、プレートや軽量フレームなど、厚み方向に精度を要する部品の加工に適しています。適切な送り速度や切込み量を設定することで、切削の精度を保ちながら高品質な仕上がりが得られます。
3. 歪み・反りの少ない加工
プレーナー加工は、熱の発生が少なく、材料にかかる応力を抑えながら切削できます。加工後のワークに歪みや反りが生じにくく、寸法安定性を保つことが可能です。
特に、大型の鋳物部品や精密機器の部材など、後工程での組立精度が求められる製品に適しています。切削工程で生じる内部応力を最小限に抑えることで、後の仕上げ加工や検査工程でも高い精度を維持できます。