計器用変成器

計器用変成器とは

計器用変成器とは、測定計器が読み取るために電流や電圧を変換する装置です。

電力会社などが取り扱う電気は、一般的に6,600Vやそれ以上の高い電圧で送電されることが多いです。電圧の品質を一定に保ったり、電気の導通を確認するために、測定計器によって電圧・電流の高さを確認する必要があります。ただし、これらの高い電圧を測定計器で直接読み取ることは現実的ではないため、計器用変成器によって取り扱いやすい電圧・電流レベルに変換して測定します。

計器用変成器によって電圧や電流を正確に変換するため、精度の高い測定を行うことができます。これにより、電力量の測定や制御を正確に行うことが可能です。

計器用変成器に使用用途

計器用変成器は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 発電所

発電所では発電機から出力される電圧や電流を計測し、送電電力や力率などを制御する必要があります。計器用変成器は発電機から出力される高電圧や高電流を計器が扱えるレベルに変換し、電力量の正確な計測や制御を可能にします。これにより、発電所の運転効率を最適化し、設備の保護や安全性を向上させることが可能です。

2. 変電所

変電所では送電線からの高電圧を変換して低電圧に配電するために変圧器が使用されます。計器用変成器は変圧器の出力側電圧などを計測し、制御するために使用されます。また、計器用変成器で異常な状況や過負荷を検出し、必要に応じて電力を遮断することが可能です。

3. 需要設備

工場や商業施設などの電気を消費する場所では、電力の消費量を正確に計測するために計器用変成器が使用されます。電力の使用状況を把握し、エネルギー管理を実施するための指標とすることが可能です。また、電力会社との電気のやり取りも、計器用変成器を用いて実施する場合も多いです。

電力品質の監視や改善のためにも計器用変成器が使用されます。電圧の安定性や波形の歪みなどを計測し、必要に応じてタップ切替やコンデンサ投入などの調整を実施します。これにより、電気の品質を一定に保つことで設備の信頼性や安全性を向上させることが可能です。

計器用変成器の原理

計器用変成器の原理は、主に電磁誘導の法則に基づいています。

電圧を変換する場合、高電圧を低電圧に変換する機器がほとんどです。鉄心にコイルが2つ巻かれており、高電圧側のコイルに交流電圧を印加すると低電圧側のコイルにおいて、誘導によって電圧が発生する仕組みです。コイルの巻線比によって、変換する電圧のレベルを調整することが可能です。

電流を変換する場合は、高電流を低電流に変換する機器がほとんどです。高電流側の導線上に電流が流れると周囲に磁場を生じ、この磁場を低電流側の導線に誘導させて電流を変換する仕組みです。電流の場合もコイルの巻線比を調整することで、変換する電流のレベルを調整します。

計器用変成器の種類

計器用変成器には、主に以下のような種類が存在します。

1. 電流変成器 (CT)

CTは高電流を低電流に変換するための変成器です。主に発電所や変電所で使用され、電力系統内の高電流を計測および保護するために利用されます。通常、二次側の電流は1Aまたは5Aといった標準的な値に変換されます。

2. 電圧変成器 (VT)

VTは高電圧を低電圧に変換するための変成器です。電力系統内の高電圧を計測および保護するために利用されます。一般的に二次側の電圧は100Vまたは110Vといった標準的な値に変換されます。

3. ゼロ相電流変成器 (ZCT)

ZCTは対地間を流れる電流がゼロであるかどうかを検出するための変成器です。主に地絡検出器や保護装置で使用され、電力系統における地絡を検出して対処するために利用されます。二次側の出力は正常な動作時にはゼロですが、地絡が発生した場合にはゼロ以外の数値となります。

4. 接地形計器用変圧器 (EVT)

EVTは対地間に印加される電圧を測定する変成器です。主に絶縁監視装置や地絡検出装置などの保護装置で使用されます。地絡事故時に対地間の電圧などが変化することを検出するための装置です。

防爆カメラ

監修:フリアーシステムズジャパン株式会社

防爆カメラとは

防爆カメラ使用例

防爆カメラとは、爆発性のある環境で使用するために設計されたカメラです。

粉塵が舞う建物内や可燃性物質を扱う工場などでは、火花や静電気などが発生すると爆発を引き起こす危険性があります。防爆カメラはこれらの危険性を最小限に抑えるために特別な安全基準に準拠し、爆発のリスクを減らすように設計されています。石油化学工場や鉱山など、爆発性のある環境で安全に状態を監視するために使用されます。

防爆カメラの使用用途

防爆カメラは爆発性のある環境で使用されます。以下はその一例です。

1. 石油化学工場

石油化学工場では、高温・高圧の条件下で危険物質が扱う場合も多いです。防爆カメラはプラント内の異常を早期に検出し、作業員の安全性を確保するために使用されます。一例としては、石油や化学物質の貯蔵タンクの状態を監視し、漏れや発火などの問題を検出するために使われることが多いです。

2. 鉱山

鉱山では爆発性のガスや埃が発生することも多いです。これらのガスや埃が着火すると、爆発によって作業員の安全が脅かされます。防爆カメラは採掘現場の安全性を監視し、作業員が危険な状況にさらされないように支援します。

また、鉱山内のトンネルなどは、一般的に狭くて暗い環境です。防爆カメラはこれらの領域を監視し、作業員の移動などを追跡することで安全を確保するのに役立ちます。

3. 製薬工場

製薬工場ではクリーンルームで製造作業が行われることも多いです。また、爆発性のある化学物質が使用されることもあります。防爆カメラはクリーンルーム内の作業プロセスを監視し、生産品の品質管理や作業員の安全を支援します。

4. 船舶

船舶内部のエンジンルームは、高温かつ化学物質が存在するため、爆発のリスクが高い場所です。防爆カメラはエンジンルーム内の状態を監視し、火災や爆発のリスクを軽減します。原油などの油製品を輸送する際にも必須となる監視装置の一つです。

5.その他

火力発電所や燃料貯蔵基地などの危険場所がある工場、事業所でも使用されます。

防爆カメラの原理

防爆カメラの動作原理は一般的なカメラと同様です。ただし、以下のような仕様によって、防爆性能を付加しています。

1. 筐体・ケース

防爆カメラは外部の爆発性雰囲気から内部の電子部品を保護するために、特殊な筐体やケースに入れられていることが多いです。これにより、カメラ内部の電子回路から発生する火花を外部環境と隔絶し、爆発のリスクを軽減します。また、これらの筐体・ケースは耐久性や耐水性を向上させる役割も果たします。

2. 電圧制限

防爆カメラ内部に使用される電圧は、規格に定められた電圧以下に制限されていることが多いです。一般的には24V以下に制限することで、火花などの発生を防止します。本質安全防爆などの規格では、1.2V以下に制限されている場合もあります。

3. 圧力制御

カメラ筐体の内圧を陽圧に保つことで、防爆仕様を付与する場合もあります。内圧が陽圧となることで、外部の爆発雰囲気がカメラ内部へ侵入することを防止する仕組みです。陽圧が検知出来ない場合は、電源を遮断するなどの防護措置が施されます。

4. その他の設計

防爆カメラの電気回路や部材には、爆発性のある環境での安全性を確保するために特別な設計がなされています。一例としては、スパークや放電を抑制するための素材を使用するなどの処置です。これにより、防爆仕様を付与します。

防爆カメラの選び方

防爆カメラを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 防爆箇所

防爆カメラを使用する環境の爆発性のレベルや区分に応じて、適切な防爆規格や区分があります。国内ではZone0~Zone2などの分類を使用されることが多いです。規格としては、海外ではATEX規格やIECEx規格などが一般的です。

2. 電源

防爆カメラにはAC電源やDC電源など、さまざまな電源タイプがあります。使用する環境に応じて適切な電源タイプを選択する必要があります。一般的にはDC12Vや24Vなどを使用されることが多いです。

3. 信号種類

防爆カメラの映像信号を選定することも重要です。CVBSやSDI、IP、VGAなどがあります。受信機器が受信可能な信号を発信するカメラを選ぶ必要があります。

4. 使いやすさと機能

防爆カメラを選ぶ際、下記のような操作のしやすさや、機能について考慮することも重要です。

  • 誰が撮影しても同じ品質の画像が得られる“フォーカスフリー”機能 
  • 人間の目(50~80°)に近い視野対象物との距離感に違和感がない“広角レンズ”
  • 気になる箇所を画面上でタップするだけで、温度分布を最適化して自動表示“ワンタッチレベルスパン”

防爆カメラ機能、フォーカスフリー、広角

防爆カメラ機能、ワンタッチレベルスパン

本記事は防爆カメラを製造・販売するフリアーシステムズジャパン株式会社様に監修を頂きました。

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因果分析ツール

因果分析ツールとは

因果分析ツールとは、特定の問題における原因と結果の関係を明らかにするためのツールです。

ビジネス戦略や医療研究など様々な分野で、データ分析や統計解析を使用して、ある要因が結果にどのように影響するかを調査し、因果関係を特定するために使用されます。主観的な意見や仮説に頼らず、データと統計的手法に基づいて行われるため、客観的な結果が得られる点が特徴です。

因果分析ツールの使用用途

因果分析ツールは様々な場面で使用されるツールです。以下はその一例です。

1. ものづくり

製造プロセスにおける異常の原因を特定するために因果分析が使用されます。一例として、製品の欠陥や不良品率が高い場合に、製造プロセス内での問題点を特定することが可能です。製造プロセス内の温度・圧力などのパラメータが製品品質与える影響を確認することで、品質向上にも役立ちます。

2. マーケティング

価格変更や割引キャンペーンが収益に与える影響を評価するために因果分析が使用されます。価格戦略が顧客の購買行動にどのような影響を与えるかを確認し、収益最大化を図ることが可能です。クーポンなどの販売促進策が与える影響を評価するために因果分析が活用されます。

3. 研究・開発

新製品の開発において因果分析が使用されます。ある要素が最終製品の性能や市場受容性に与える影響を評価し、製品開発プロセスを最適化することが可能です。一例として、材料変更や設計改良が製品の性能に与える影響をツールで確認し、製品の品質向上や競争力強化を図ることもあります。

4. 政策決定

政府の施策コストと効果を比較するために因果分析が使用されます。施策にかかるコストと、それによってもたらされる社会的・経済的な成果を評価し、コスト効果のバランスを評価することが可能です。一例として、公共交通機関の導入やインフラ整備が、経済成長や生活に与える影響などを評価します。

因果分析ツールの特徴

因果分析ツールは、ある要因が結果に対してどのように影響するかを分析するのに使用されます。因果関係を特定するための統計的手法や統計モデルを提供するツールです。統計的手法に基づいて因果関係を分析するため、主観的な意見や仮説に依存せず、定量的に因果関係を理解することが可能です。

複雑な変数間の関係を分析し、それらの結果への影響度合いを評価します。複数の要因が結果に影響する場合でも、それらの因果関係を明らかにできる点が特徴です。

また、因果分析ツールを使用することで、因果関係をグラフィックとして可視化することができます。因果関係のグラフやダイアグラムを通じて分かりやすく視覚化し、分析者の理解を深めるとともに、説明資料として使用することができます。

因果分析ツールの種類

因果分析ツールには統計手法に応じて、様々な種類があります。以下はその種類の一例です。

1. 回帰分析ツール

回帰分析は因果関係を分析するための基本的な統計手法の一つであり、独立変数と従属変数の間の関係を調べます。一般線形モデルやロジスティック回帰モデルなど、さまざまな種類の回帰分析手法があります。回帰係数や決定係数などの統計的指標を使用して、変数間の関係や予測モデルの適合度を評価することが可能です。

2. 因果推論ツール

因果推論はデータから因果関係を推論するための手法です。実験的アプローチが難しい場合に使用されます。傾向スコアマッチングやダブルロバスト推定などの技術を使用して因果関係を推定する方法で、データからバイアスを除去して因果関係を推定します。

3. 統計的機械学習ツール

統計的機械学習はデータからパターンを学習するための手法です。因果関係を理解するために機械学習アルゴリズムが使用されます。ランダムフォレストやニューラルネットワークなど、さまざまな機械学習アルゴリズムが使用されます。

4. 経路解析ツール

経路解析は複数の変数間の因果関係を理解するための手法です。特に因果グラフを用いて経路を調べます。変数間の因果関係の強さや間接的な影響などを確認するのに役立ちます。

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Surface Treatment Chemicals

What Is Surface Treatment Chemicals?

Surface treatment chemicals encompass the various substances utilized in surface treatment processes, targeting materials like metal products, parts, and certain plastics. These treatments aim to enhance mechanical performance, encompassing attributes such as hardness, corrosion resistance, wear resistance, heat resistance, adhesion, insulation, and conductivity.

Additionally, decorative processes like polishing and coloring are often applied to surfaces to add aesthetic value.

The surface treatment process involves several steps, starting with pre-treatment measures like degreasing, acid washing, and rinsing to eliminate foreign substances from the material’s surface. Surface activation may also be necessary before applying coatings or initiating chemical reactions. Chemicals utilized in these pre-treatment and post-treatment rinsing processes are collectively known as surface treatment chemicals.

Applications of Surface Treatment Chemicals

Common surface treatment techniques include chemical reactions, plating, anodizing, and electrocoating.

1. Chemical Reactions

This method involves immersing materials in chemical solutions to induce reactions on the surface, altering material properties. For instance, blackening iron products enhance corrosion resistance by forming a ferric oxide film through chemical reactions.

2. Plating

Plating entails depositing a metallic coating onto metal substrates (and sometimes plastics) to enhance aesthetics, corrosion resistance, and mechanical properties.

3. Anodizing

Applied to aluminum substrates, anodizing forms an oxide film to improve corrosion resistance and other properties.

4. Electrocoating

Immersing materials in a water-soluble paint tank and applying direct current deposits the paint onto the surface. Methods like cationic and anionic electrodeposition coating offer superior corrosion resistance, with the former widely used in automotive undercoat painting.

Principles of Surface Treatment

Surface treatment processes necessitate proper surface preparation to remove contaminants like grease, rust, or unwanted films. Parameters such as chemical concentration, temperature, and electrical conditions must be meticulously controlled for effective and consistent treatment. Expertise in managing these parameters is critical for successful surface treatment.

Choosing Surface Treatment Chemicals

When selecting surface treatment chemicals, factors such as material type, desired performance, and treatment method must be considered. Consulting experts may be beneficial due to the broad range of available chemicals and specialized requirements.

ファイバーレーザー溶接機

監修:株式会社 共和

ファイバーレーザー溶接機とは

ファイバーレーザー溶接機とは、ファイバーレーザーを使用して金属やその他の材料を溶接するための装置です。

ファイバーレーザーは、光ファイバー内でレーザー光を発生させるレーザーの一種です。 光ファイバーの特性により、ファイバーレーザーは焦点性能が高いという特徴を有します。高エネルギー密度の光を生成することができるため、溶接プロセスに適しています。

ファイバーレーザー溶接機はエネルギー密度が高い光を生成するため、素材を素早く溶接することができます。また、高い制御性能により、溶接ビードの形・幅・高さにおいても非常に精密で均一な溶接が可能であり、熟練度に関わらず初心者でも扱いやすいという特徴があります。厚い材料の溶接や、多層の材料の溶接も容易に行えます。

YAG溶接(ヤグ溶接)や、TIG溶接(ティグ溶接)と比べて3〜10倍のスピードで溶接することができるため、人手不足の解消や熟練溶接工不足の解消に繋がります。また完全溶け込み溶接においても、ファイバーレーザー溶接の方が強度面でも優れています。またエネルギー変換効率が約30%程と高く、ランニングコスト(電気代)もTIG溶接機の約1/5程度に抑えられます。

ファイバーレーザー溶接は、直線的な熱源を利用するため、熱影響の範囲が狭く、素材の溶接焼け・熱変形・ひずみが少ない、高い制御性能による設定でスパッタ付着を軽減できる、など後工程の時間も大幅に短縮することができ、生産工程全体の生産性を大幅に高めることができます。

レーザーの中でも波長が短いファイバーレーザーは、エネルギーが強く、鉄に加えてステンレス、チタンなどの強度の高い素材も溶接が可能です。またCO2レーザーなどと比較しても素材への吸収率が高いため、アルミなどの高反射材でも溶接部の温度が上がりやすく、うまく溶接ができる、などの特徴があります。

また上記の通り溶接速度が速く、扱いやすいファイバーレーザー溶接機は協働ロボットなどによる自動化にも適しています。

ファイバーレーザー溶接機とは

図1. 溶接シーン

ファイバーレーザー溶接機の使用用途

ファイバーレーザー溶接機は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 板金加工

溶接による焼けや歪みが少ないファイバーレーザー溶接機は、薄板板金の溶接に適しています。またきれいで滑らかな溶接ビードが出せるため、外観の美しさを求められる板金部品の溶接加工にも最適です。

2. 製缶加工

ファイバーレーザー溶接機は、歪みが少なく、気密性の高い溶接ができるため、製缶加工の溶接に適しています。

3. プラント配管

高精度で溶接による歪みが少ないファイバーレーザー溶接機は、プラント配管の溶接にも適しています。

4. 建築関係

建築金物等の溶接にもファイバーレーザー溶接機は適しています。

5.自動車

高品質が求められる自動車用部品や高精度溶接を求められる機械部品等の加工に適しています。

ファイバーレーザー溶接機の原理

ファイバーレーザー溶接機の核心部分は、光源であるファイバーレーザー装置です。光ファイバー内でレーザー光を発生させる装置であり、高いエネルギー密度の光を生成します。光ファイバーのコア領域には、通常は希土類ドープされた材料が使用されます。

また、光ファイバーから出力されるレーザー光を制御し、焦点を調整するための光学系が搭載されています。レンズやミラーなどがその一例であり、これらに加えて制御装置でレーザーの出力や焦点位置、溶接パラメータなどを制御し、細かい設定が可能。製品によっては材質・板厚を設定し登録しておくこともできます。

ファイバーレーザーはファイバー内に希土類ドープされたコア領域を通過する光の励起により、レーザー光が発生する原理です。レーザー光を生成するために用いられるドープ物質としては、イッテルビウムやエルビウムなどが使用されます。

光ファイバー内に半導体レーザーからの光を送ると、ドープされたコア領域の原子が励起され、エネルギーが放出されます。この放出されたエネルギーが他の原子と相互作用し、共鳴する光が反射され、光増幅が起こります。これにより、光がレーザー光として放出されます。

ファイバーレーザー溶接機の原理

図2. 協働ロボット

ファイバーレーザー溶接機の選び方

ファイバーレーザー溶接機を選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. レーザー出力

ファイバーレーザー溶接機のレーザー出力は、レーザー光の出力パワーを示す指標です。必要な出力は溶接する素材の厚さや溶接速度によって異なります。高い出力の製品の方がより速い溶接速度を可能にし、厚い材料の溶接に適しています。また仕様のレーザー出力以上の仕事はできませんので、将来的な仕事の拡大も視野に、大きめのレーザー出力の機種を選定することをおすすめします。

2. スイングビームシステム

ファイバーレーザー溶接機はビーム径が細いというデメリットがありますが、溶接ワークの隙間(ギャップ)を埋めるためのスイングビームシステムが付属することもあります。スイングビームシステムはレーザー光を一定点を軸に左右に振るシステムで、深い溶け込みだけでなく、薄板のワーク間ギャップ溶接でも溶け落ちなく高速溶接対応でき、溶接の精度が向上します。

またダブルウォブルというシステムでは、レーザービーム形状が8種類あるものもあり、ブローホール防止に効果を発揮します。

3. ワイヤフィーダー

ファイバーレーザー溶接機では、溶接ワイヤを使用できるタイプもあります。溶接ワイヤを使用することにより、溶接強度が大幅に向上します。また溶接ワークの隙間(ギャップ)を埋めることも可能となります。またダブルワイヤフィーダーを使用することにより、2本のワイヤ供給が可能となり、厚い肉盛り溶接で脚長を実現することができます。

ファイバーレーザー溶接機の選び方

図3. ダブルワイヤフィーダー

4. 冷却方法

ファイバーレーザー溶接機には、レーザーヘッドや光ファイバーを冷却するための冷却装置が必要です。主な冷却方式は水冷式や空冷式です。水冷式は一般的に安定した稼働が期待できるメリットがある一方、溶接機の大きさが大きくなるというデメリットがあります。

空冷式は一般的には水冷よりは安定性に劣るデメリットがある一方、溶接機の大きさを小さくできるというメリットがあります。工場の広さや連続使用する時間など、使用環境に合わせて最適な冷却方式を選択する必要があります。

5.安全対策

ファイバーレーザー溶接機のレーザー光(クラス4)は、高エネルギー密度であるため、日本工業規格に定められた適切な取り扱いが必要です。レーザー光の中でも、ファイバーレーザーの波長は目に見えない「不可視光レーザー」となり、分類は「クラス4」です。

ファイバーレーザー溶接機を選ぶ際には必ず「クラス4」対応の製品(キーコントロール、インターロック接点、パーテーションなど)やサービス(作業者への安全教育実施)を選ぶ必要があります。

6.アフターサービス体制

ファイバーレーザー溶接機は、消耗品交換やメンテナンスが必要な機械です。購入後もサービス対応ができる体制かどうかをしっかりと確認しておきましょう。また保証期間についても最低でも1年以上の保証があるものが安心です。溶接についての専門的なアドバイスができる体制があれば、さらなる溶接品質向上にもつながります。

7.その他機能

ファイバーレーザー溶接機の中には、溶接だけでなく、切断・焼け取り・クリーナーなどの機能を兼ね備えた、4in1(3in1)の機種もあります。1台でファイバーレーザーの能力を最大限発揮できるものです。仕事内容に合わせて選択しましょう。

参考文献
https://kyowa-ctc.co.jp/

本記事はファイバーレーザー溶接機を製造・販売する株式会社 共和様に監修を頂きました。

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凍結防止ヒーター

凍結防止ヒーターとは

監修:株式会社TOTOKU

凍結防止ヒーターとは、対象物が凍結するのを防止するために設置するヒーターです。

水道管などにおいて水の流れが停止してしまうと、低温の環境下では凍結してしまいます。液体が凍結すると体積が膨張し、配管が破損する場合も多いです。このような状況を防ぐために、凍結防止ヒーターは管や配管などに取り付けられます。

凍結による配管の破損は修理や交換にコストがかかります。凍結防止ヒーターを設置することで、これらのコストを削減することが可能です。比較的簡単に取り付けることができるため、特に寒冷地などでは必要不可欠な装置の一つです。

凍結防止ヒーターの使用用途

凍結防止ヒーターは主に配管系統などで使用されます。以下はその一例です。

1. 上水道

水道管が凍結すると水の供給が途絶え、日常生活に深刻な影響を与える可能性があります。凍結防止ヒーターは水道管を凍結から保護し、水の供給を確保します。特に寒冷地域や冬季において、上水道システムの安定性を確保するために重要です。

2. 下水道

下水道管が凍結すると、排水の流れが滞り、地域によっては水害や環境汚染のリスクが高まります。凍結防止ヒーターによって下水道のパイプや排水溝を凍結から保護し、正常な排水を確保することが可能です。これにより、水害や環境汚染を防止します。

3. 自動車

自動車の冷却液やバッテリーは、冬季に凍結することも多いです。エンジンブロックの冷却液が凍結するとエンジンの始動が困難になり、バッテリーが凍結すると電力が供給されなくなります。凍結防止ヒーターはエンジンブロック内の冷却液を加熱し、バッテリーを保温して、自動車の信頼性を向上させます。

4. 化学工場

水酸化ナトリウムなどの化学物質は凝固点が水よりも高く、10℃程度でも凍結してしまう点が特徴です。水酸化ナトリウム配管が凍結・破裂すると、内部の液体が漏洩し、薬傷や環境汚染のリスクがあります。化学工場では水酸化ナトリウムを原材料や水処理に使用することが多いため、凍結防止ヒーターで一定の温度以上に保つことが必要です。

凍結防止ヒーターの原理

凍結防止ヒーターは電気によって電熱線を抵抗加熱させる仕組みです。一般的には電熱線、外皮、制御装置などで構成されます。

電熱線は凍結防止ヒーターの主要な部品であり、ニクロム線やカーボンファイバーなどが使用されます。これらの素材は電気を通すと発熱する性質を持っており、水などの液体を加熱することが可能です。配管に巻きつけたり、内部に埋設したりして使用されます。

外皮は電熱線を保護しつつ絶縁する部分です。一般的には耐久性のあるプラスチックやポリマーで作られています。電熱線が損傷を受けないように保護しつつ、電熱線を絶縁することで安全性を向上させます。

電熱線へ印可する電圧は制御装置によって制御することが多いです。外部温度や設定温度に応じて電熱線の電力供給を調整します。温度センサーが組み込まれており、周囲の温度を監視して適切な制御を行います。

凍結防止ヒーターの選び方

凍結防止ヒーターを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 使用温度

凍結防止ヒーターを選ぶ際に最も重要な要素の一つは、適用可能な温度範囲です。周囲の温度が低下した際に十分に加熱できる必要があります。また、凍結防止ヒーターが過度に加熱すると、ヒーター外皮や配管の損傷リスクもあります。

2. 定格電圧

定格温度は凍結防止ヒーターが動作する電源電圧です。使用する電源の電圧と一致しているかを確認する必要があります。一般的にはAC100Vなどの製品が多く、コンセントに挿して使用できる場合もあります。

3. 長さ

凍結防止ヒーターの長さは保護する配管の長さに合わせて選定します。ヒーターが配管全体に適切に配置され、凍結リスクがあるすべての領域をカバーできるかを確認します。必要な長さを正確に計測し、適切なヒーターを選定することが重要です。

4. 形状

凍結防止ヒーターはさまざまな形状の製品があります。一般的にはフレキシブルな製品が多く、曲線にも合わせて調整することが可能です。設置場所や使用目的に応じて、適切な形状のヒーターを選択します。

本記事は凍結防止ヒーターを製造・販売する株式会社TOTOKU様に監修を頂きました。

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同軸ケーブルとは

監修:株式会社TOTOKU

同軸ケーブルとは

同軸ケーブルとは、通信業界で広く利用されるケーブルです。

一般的には中心に導体があり、その周囲を絶縁体が覆い、さらにその周囲を導体でシールドされています。この構造により、外部の電磁干渉から信号を保護し、信号の劣化を最小限に抑えることができます。その形状が同軸ケーブルの名前の由来です。

同軸ケーブルは信頼性が高く、耐久性があります。適切に使用することで、長期間にわたって安定して使用することが可能です。電圧などの損失も少ないため、長距離伝送に適しています。

同軸ケーブルの使用用途

同軸ケーブルは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. テレビ

放送業界のアンテナは、放送局からの電波を受信し、信号をテレビに送るために使用されます。同軸ケーブルを使用することでアンテナとテレビを接続し、信号の伝送を可能にします。アンテナからの信号は同軸ケーブルを介してテレビに送られ、画像や音声として解釈して再生する仕組みです。

2. コンピューターネットワーク

同軸ケーブルはコンピューターネットワークの構築に古くから使用されてきました。特に10BASE5と呼ばれる古い規格では、同軸ケーブルが使用されていました。同軸ケーブルによってコンピューター間のデータ通信を可能にし、LANを構築するために使用されました。

しかし、同軸ケーブルは現代のツイストペアケーブルに取って代わられ、より高速で信頼性の高いデータ通信が可能になりました。近年ではコンピュータ間の通信は、LANケーブルと光ケーブルが主流です。

3. 監視カメラ

近年のセキュリティシステムは、監視カメラによって監視対象の映像を収集し、監視装置やレコーダーに送信します。この際、同軸ケーブルが使用されることも多いです。カメラからの映像信号は同軸ケーブルを介して監視装置に送られ、記録または表示します。

同軸ケーブルは信号の安定性と信頼性が高いため、長期間にわたって監視システムを維持するのに適しています。また、LANケーブルよりも長距離の伝送が可能なため、広大な土地の監視には有利です。

同軸ケーブルの原理

同軸ケーブルは中心導体、絶縁体、シールド、外皮などで構成されます。

1. 中心導体

同軸ケーブルの中心に位置し、信号を伝送するための導体です。一般的には銅やアルミニウムの導体が使用されます。この導体によって電気信号を伝送する仕組みです。

2. 絶縁体

中心導体を覆う絶縁材料です。中心導体とシールドの間を絶縁する役割を果たします。一般的にポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックが使用されます。

3. シールド

シールドとは、絶縁体の周囲に配置された導電性の層です。一般的にはシールドが接地され、外部からの電磁干渉を防ぎます。信号を保護し、信号の品質を高める役割を果たします。

一般的に銅やアルミニウムで構成されます。構造はメッシュや箔状となっていることが多いです。

4. 外皮

外皮はシールドを覆ってケーブル全体を保護するための外部絶縁体です。ケーブル全体を物理的に保護するための部分で、同軸ケーブル全体の耐久性を向上させます。一般的には耐久性のあるプラスチック材料で構成されます。

同軸ケーブルの選び方

同軸ケーブルを選ぶ際は、以下の要素を考慮します。

1. 全長

同軸ケーブルの長さは用途に合わせて選定する必要があります。必要な長さを計算し、余裕を持った長さを選ぶことが重要です。

2. 特性インピーダンス

同軸ケーブルの特性インピーダンスは、信号が伝送される際のマッチングを保証するために重要です。一般的な同軸ケーブルの特性インピーダンスは50Ωまたは75Ωです。使用する機器やアプリケーションに応じて、適切な特性インピーダンスのケーブルを選択する必要があります。

テレビや衛星放送用には75Ωのケーブルが一般的です。一部の無線通信などの用途では50Ωのケーブルが適している場合があります。

3. 両端コネクタ

同軸ケーブルの両端にコネクタを取り付けて使用することが多く、一般的なコネクタにはF型コネクタやBNCコネクタなどがあります。使用する機器や用途に適したコネクタを選択し、ケーブルの両端に適切に取り付けることが重要です。また、コネクタも信号品質に影響を与えるため、高品質なコネクタを選択することが望ましいです。

本記事は同軸ケーブルを製造・販売する株式会社TOTOKU様に監修を頂きました。

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

Metoreeが株式会社ジオコードの『Web広告マガジン』に紹介されました。

Metoreeが株式会社ジオコードが運営する『Web広告マガジン』に紹介されました。

 

今回、「BtoBに強いWeb広告代理店5選!リスティング・DSP・SNS運用型広告代行会社を選ぶポイントも」という記事内の【番外編】でMetoreeをご紹介いただきました。

◾️記事の詳細はこちらをご覧ください。

https://www.geo-code.co.jp/ads/mag/btob_advertising-agency/

 

 

プラズマインジケータ

プラズマインジケータとは

プラズマインジケータとは、プラズマ処理の効果を色材の変色によって可視化し、評価するツールです。

プラズマ処理は、様々な素材に対する表面処理の前処理として行われます。電気的作用により、酸素などの気体をプラズマ化し、ラジカルを発生させて樹脂などの表面に付与します。プラズマインジケータは、ガスプラズマ中のラジカルやイオンなどと反応して変色する色材を用いることで、プラズマ処理の効果を簡便に評価することが可能です。

プラズマインジケータの使用用途

1. プラズマ処理の用途

プラズマ処理は、産業分野において、金属、合成樹脂、セラミックス、プラスチックなど、様々な素材に対して施されます。主な用途は下記のものが挙げられます。

  • めっき前の表面改質
  • 接合面の表面改質 (ワイヤーボンディング・フリップチップボンディングなど)
  • プリント配線板製造
  • FPD製造
  • フィルム加工
  • 部品実装後のアンダーフィル前クリーニング
  • プリント配線板におけるデスミア工程
  • LSI、メモリ、MEMS、LED等電子デバイスの封止前のクリーニング

2. プラズマインジケータの用途

プラズマインジケータは、上記のようなプラズマ処理を必要とする産業シーンで、プラズマ処理の効果を評価することに使用されます。主な用途は下記のものが挙げられます。電子部品メーカー、樹脂成型品メーカー、半導体メーカーを始めとした多くの産業分野で使用されている評価ツールです。

  • 不良品の検知
  • 3次元形状の対象物においてムラができていないか確認する
  • プラズマ装置不具合の早期発見
  • 製品品質のばらつきがないかの確認
  • ウエハの面内均一性の確認
  • 酸素のリークチェック
  • 高価な検査設備を代替することによる省コスト化

プラズマインジケータの原理

プラズマインジケータは、フィルムなどの基材の上に、各種ガスプラズマの中に含まれるラジカルやイオンなどと反応する機能性色材が付加されている構造です。

プラズマ強度に応じて連続的な変色が起こるため、プラズマの処理効果を細かく評価することが可能です。カードやラベルなどの形状があり、ステージ面に置く、壁面に貼り付けるなどの方法で測定することができます。使用されている素材には、「有機色材とPET基材」の組み合わせと「無機色材とポリイミド基材」の組み合わせなどがあります。

プラズマインジケータの種類

プラズマインジケータには、検出可能なプラズマ種によって様々な種類があります。主な種類は、Oクリーニング用、Arクリーニング用、大気圧プラズマ用、デスミア用などです。また、200℃まで耐熱可能な耐熱用、基板と同じ形状で面無い分布を可視化することができるウエハ型などもあります。

下記には代表的なものを記述しましたが、それぞれ、低感度・中感度・高感度の製品が用意されています。

1. Oクリーニング用

O2クリーニング用は、有機色材とPET基材の組み合わせを使用し、ラジカル性のプラズマ検知に最適化された製品です。ラジカル性のプラズマであれば検知できるため、O2以外にもN、Air、CF、H、NHなども検知可能です。また、Arプラズマで変色する場合もあります。

また、UV洗浄、及び、UVオゾン洗浄にも適用することが可能です。カード型、ラベル型、シート型などがあります。

2. Arクリーニング用

Arクリーニング用は、有機色材とPET基材の組み合わせを使用していますが、Oクリーニングでは検知しにくいHeやArなどのイオン性プラズマを効率よく検知できる製品です。

3. 大気圧プラズマ用

大気圧プラズマは、マイルドなプラズマ処理におけるラジカル種に特化した製品です。O2、N2、Arなどに対応しています。高感度の色材を採用しており、有機色材とクリーンペーパーの組み合わせで構成されています。

面積が広い部分の大気圧プラズマ処理のチェックに適しており、UV洗浄、及び、UVオゾン洗浄にも適用することが可能です。

4. 耐熱性

耐熱性のプラズマインジケータには、色材に無機材質、基材にポリイミドを使用しています。200℃までの高温で使用することができます。 (物理的耐熱温度は250℃)

フレキシブル性及び、接着性があるため、基盤表面や装置内に自由に貼り付け評価することが可能です。

ワイヤープローブ

監修:株式会社TOTOKU

ワイヤープローブとは

ワイヤープローブはコンタクトプローブの一種です。

タングステンなどの金属線・合金線に特殊メッキ及び絶縁コーティングを施したもので、ワイヤーを縦方向へ押したときに発生する「たわみ」を針圧に利用しています。

他の方式のコンタクトプローブに比べて細径化が可能で、プローブ自体の構造がシンプルなため、耐久性・メンテナンス性に非常に優れています。

ワイヤープローブの使用用途

ワイヤープローブは様々な用途で使用されます。以下はその用途一例です。

1. ベアボード、パッケージ基板の検査

ワイヤープローブは、様々な電子機器に用いられているプリント基板の導通検査に用いられます。
特に電子部品を実装する前の基板(ベアボード)や、半導体チップをパッケージングする際に使用するパッケージ基板
の検査用途で使用されています。

2. 半導体ウエハーの検査

半導体検査工程のうち、ウエハーテスト工程で、シリコンウエハー上に形成されたLSIチップの電気的検査に用いられるプローブカードに使用されています。ワイヤープローブを使用することで、プローブを垂直に立てることができ、より自由度の高いプローブ配置が可能となります。

ワイヤープローブの原理

ワイヤープローブは一般的に先端が尖った細長い金属製のプローブです。先端が細長く尖っているため、電子機器や回路内にアクセスするために使用されます。これにより、微細な制御基板内部などへも適用することが可能です。

本体は一般的には金属製の棒状構造であり、タングステンやレニウムタングステンなどの金属を使用することが多いです。また絶縁材料で覆われており絶縁性を確保しています。

ワイヤープローブの先端が電気回路の充電部分に接触すると、電気的な接続が確立されます。これにより、充電部分に流れる電気信号がプローブを介して取得することが可能です。ワイヤープローブに接続された測定装置や制御装置を使用して、電気的特性を測定します。

ワイヤープローブの選び方

ワイヤープローブを選ぶ際は、様々な要素を考慮することが重要です。以下はその選定要素一例です。

1. 先端構造

一般的なワイヤープローブは先端が尖った構造です。ただし、製品によっては半円形状やフラット形状などの仕様で販売されています。これにより、細かい部品や密集した回路にアクセスしやすくなります。信号取得に有利な先端構造の製品を選定します。

2. 線径

ワイヤープローブの線径は内部導体の直径を示す指標です。線径が太いほど大きな電流を流すことが可能ですが、線径が細いほど、密集した回路や小さな部品にアクセスしやすくなるため、使用用途に応じて、必要となるワイヤープローブを選定します。

3. 絶縁被覆

ワイヤープローブの絶縁性能は重要です。高品質な絶縁被覆があり、安全性が確保されていることを確認する必要があります。また、絶縁性能が高いほど高電圧の回路での使用に適しています。

4. 導体の材質

測定する対象物(プリント基板やウエハー)の電極の種類や、測定に必要な荷重・導電率など様々な条件を考慮して最適な導体材質を選定する必要があります。

本記事はワイヤープローブを製造・販売する株式会社TOTOKU様に監修を頂きました。

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