プラズマインジケータ

プラズマインジケータとは

プラズマインジケータとは、プラズマ処理の効果を色材の変色によって可視化し、評価するツールです。

プラズマ処理は、様々な素材に対する表面処理の前処理として行われます。電気的作用により、酸素などの気体をプラズマ化し、ラジカルを発生させて樹脂などの表面に付与します。プラズマインジケータは、ガスプラズマ中のラジカルやイオンなどと反応して変色する色材を用いることで、プラズマ処理の効果を簡便に評価することが可能です。

プラズマインジケータの使用用途

1. プラズマ処理の用途

プラズマ処理は、産業分野において、金属、合成樹脂、セラミックス、プラスチックなど、様々な素材に対して施されます。主な用途は下記のものが挙げられます。

  • めっき前の表面改質
  • 接合面の表面改質 (ワイヤーボンディング・フリップチップボンディングなど)
  • プリント配線板製造
  • FPD製造
  • フィルム加工
  • 部品実装後のアンダーフィル前クリーニング
  • プリント配線板におけるデスミア工程
  • LSI、メモリ、MEMS、LED等電子デバイスの封止前のクリーニング

2. プラズマインジケータの用途

プラズマインジケータは、上記のようなプラズマ処理を必要とする産業シーンで、プラズマ処理の効果を評価することに使用されます。主な用途は下記のものが挙げられます。電子部品メーカー、樹脂成型品メーカー、半導体メーカーを始めとした多くの産業分野で使用されている評価ツールです。

  • 不良品の検知
  • 3次元形状の対象物においてムラができていないか確認する
  • プラズマ装置不具合の早期発見
  • 製品品質のばらつきがないかの確認
  • ウエハの面内均一性の確認
  • 酸素のリークチェック
  • 高価な検査設備を代替することによる省コスト化

プラズマインジケータの原理

プラズマインジケータは、フィルムなどの基材の上に、各種ガスプラズマの中に含まれるラジカルやイオンなどと反応する機能性色材が付加されている構造です。

プラズマ強度に応じて連続的な変色が起こるため、プラズマの処理効果を細かく評価することが可能です。カードやラベルなどの形状があり、ステージ面に置く、壁面に貼り付けるなどの方法で測定することができます。使用されている素材には、「有機色材とPET基材」の組み合わせと「無機色材とポリイミド基材」の組み合わせなどがあります。

プラズマインジケータの種類

プラズマインジケータには、検出可能なプラズマ種によって様々な種類があります。主な種類は、Oクリーニング用、Arクリーニング用、大気圧プラズマ用、デスミア用などです。また、200℃まで耐熱可能な耐熱用、基板と同じ形状で面無い分布を可視化することができるウエハ型などもあります。

下記には代表的なものを記述しましたが、それぞれ、低感度・中感度・高感度の製品が用意されています。

1. Oクリーニング用

O2クリーニング用は、有機色材とPET基材の組み合わせを使用し、ラジカル性のプラズマ検知に最適化された製品です。ラジカル性のプラズマであれば検知できるため、O2以外にもN、Air、CF、H、NHなども検知可能です。また、Arプラズマで変色する場合もあります。

また、UV洗浄、及び、UVオゾン洗浄にも適用することが可能です。カード型、ラベル型、シート型などがあります。

2. Arクリーニング用

Arクリーニング用は、有機色材とPET基材の組み合わせを使用していますが、Oクリーニングでは検知しにくいHeやArなどのイオン性プラズマを効率よく検知できる製品です。

3. 大気圧プラズマ用

大気圧プラズマは、マイルドなプラズマ処理におけるラジカル種に特化した製品です。O2、N2、Arなどに対応しています。高感度の色材を採用しており、有機色材とクリーンペーパーの組み合わせで構成されています。

面積が広い部分の大気圧プラズマ処理のチェックに適しており、UV洗浄、及び、UVオゾン洗浄にも適用することが可能です。

4. 耐熱性

耐熱性のプラズマインジケータには、色材に無機材質、基材にポリイミドを使用しています。200℃までの高温で使用することができます。 (物理的耐熱温度は250℃)

フレキシブル性及び、接着性があるため、基盤表面や装置内に自由に貼り付け評価することが可能です。

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