監修:株式会社TOTOKU
同軸ケーブルとは
同軸ケーブルとは、通信業界で広く利用されるケーブルです。
一般的には中心に導体があり、その周囲を絶縁体が覆い、さらにその周囲を導体でシールドされています。この構造により、外部の電磁干渉から信号を保護し、信号の劣化を最小限に抑えることができます。その形状が同軸ケーブルの名前の由来です。
同軸ケーブルは信頼性が高く、耐久性があります。適切に使用することで、長期間にわたって安定して使用することが可能です。電圧などの損失も少ないため、長距離伝送に適しています。
同軸ケーブルの使用用途
同軸ケーブルは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
1. テレビ
放送業界のアンテナは、放送局からの電波を受信し、信号をテレビに送るために使用されます。同軸ケーブルを使用することでアンテナとテレビを接続し、信号の伝送を可能にします。アンテナからの信号は同軸ケーブルを介してテレビに送られ、画像や音声として解釈して再生する仕組みです。
2. コンピューターネットワーク
同軸ケーブルはコンピューターネットワークの構築に古くから使用されてきました。特に10BASE5と呼ばれる古い規格では、同軸ケーブルが使用されていました。同軸ケーブルによってコンピューター間のデータ通信を可能にし、LANを構築するために使用されました。
しかし、同軸ケーブルは現代のツイストペアケーブルに取って代わられ、より高速で信頼性の高いデータ通信が可能になりました。近年ではコンピュータ間の通信は、LANケーブルと光ケーブルが主流です。
3. 監視カメラ
近年のセキュリティシステムは、監視カメラによって監視対象の映像を収集し、監視装置やレコーダーに送信します。この際、同軸ケーブルが使用されることも多いです。カメラからの映像信号は同軸ケーブルを介して監視装置に送られ、記録または表示します。
同軸ケーブルは信号の安定性と信頼性が高いため、長期間にわたって監視システムを維持するのに適しています。また、LANケーブルよりも長距離の伝送が可能なため、広大な土地の監視には有利です。
同軸ケーブルの原理
同軸ケーブルは中心導体、絶縁体、シールド、外皮などで構成されます。
1. 中心導体
同軸ケーブルの中心に位置し、信号を伝送するための導体です。一般的には銅やアルミニウムの導体が使用されます。この導体によって電気信号を伝送する仕組みです。
2. 絶縁体
中心導体を覆う絶縁材料です。中心導体とシールドの間を絶縁する役割を果たします。一般的にポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックが使用されます。
3. シールド
シールドとは、絶縁体の周囲に配置された導電性の層です。一般的にはシールドが接地され、外部からの電磁干渉を防ぎます。信号を保護し、信号の品質を高める役割を果たします。
一般的に銅やアルミニウムで構成されます。構造はメッシュや箔状となっていることが多いです。
4. 外皮
外皮はシールドを覆ってケーブル全体を保護するための外部絶縁体です。ケーブル全体を物理的に保護するための部分で、同軸ケーブル全体の耐久性を向上させます。一般的には耐久性のあるプラスチック材料で構成されます。
同軸ケーブルの選び方
同軸ケーブルを選ぶ際は、以下の要素を考慮します。
1. 全長
同軸ケーブルの長さは用途に合わせて選定する必要があります。必要な長さを計算し、余裕を持った長さを選ぶことが重要です。
2. 特性インピーダンス
同軸ケーブルの特性インピーダンスは、信号が伝送される際のマッチングを保証するために重要です。一般的な同軸ケーブルの特性インピーダンスは50Ωまたは75Ωです。使用する機器やアプリケーションに応じて、適切な特性インピーダンスのケーブルを選択する必要があります。
テレビや衛星放送用には75Ωのケーブルが一般的です。一部の無線通信などの用途では50Ωのケーブルが適している場合があります。
3. 両端コネクタ
同軸ケーブルの両端にコネクタを取り付けて使用することが多く、一般的なコネクタにはF型コネクタやBNCコネクタなどがあります。使用する機器や用途に適したコネクタを選択し、ケーブルの両端に適切に取り付けることが重要です。また、コネクタも信号品質に影響を与えるため、高品質なコネクタを選択することが望ましいです。
本記事は同軸ケーブルを製造・販売する株式会社TOTOKU様に監修を頂きました。
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