コーナーアングルとは
コーナーアングルとは、構造物どうしが接触する角の部分に取り付ける部品です。
構造物の接合部分の保護や補強、また、装飾などにも用いられます。形状はL形やコの字形、材質は塩化ビニルやアルミ、ステンレスなどさまざまな種類があり、木目調などのデザインが施されている製品もあります。
コーナーアングルの使用用途
コーナーアングルは主に次のような用途に使われます。
1. 端面の保護
端面の保護には2種類の目的があります。1つ目は構造物自体を守るために用いる場合です。構造物の角の部分にコーナーアングルを取り付けることで、構造物を衝撃や浸食から守ります。もう1つは緩衝材として用いる場合です。人がぶつかってけがをしないように柱の角など危険な箇所に取り付けて安全を確保します。また、保護には恒久的に取り付けるものと、輸送などで一時的に使用するものがあり、用途に応じて素材や価格が異なります。
2. 構造の補強
建築物においては、梁や柱の接合部、壁面などに取り付けて、構造的な強度を増すことが可能です。大型の構造物では主に強度の高い金属製のコーナーアングルが用いられます。コーナーアングルを組み合わせて使用することで一定の角度で構造を組むことができ、構造物全体の安定性が増します。
3. 装飾
内装や家具製品などで角にできる隙間の目隠しに用いたり、角の部分を装飾したりする際にコーナーアングルを使用します。あらかじめ木目調などのデザインが施されたものがあり、あえて見せるために用いる場合があります。
コーナーアングルの原理
コーナーアングルは、部材同士を直接接合するよりも、より強度と安定性を増すことができるのが特長です。また、コーナーアングルには一定の角度がついているため、接合のために部材を加工する必要がありません。
建築物においては、コーナーアングルが構造物が受ける応力を分散することで、耐震性の向上に貢献します。また、構造全体の強度を均一化できるため、局所的にかかる負荷の軽減が可能です。
コーナーアングルについた角度によって手軽に構造を組み立てることが可能です。そのため、作業性が向上し、建築現場では工期の短縮につながります。部材同士を手軽に接合するためにネジ穴が付いたコーナーアングルも存在します。
コーナーアングルの種類
コーナーアングルは、用途に応じてさまざまな形状と材質があります。
1. 形状による分類
L字型
L字型は角の部分の保護や転倒防止金具としても使用されます。コーナーアングルをラックの角などに取り付けて、床や壁面と接続することで転倒を防ぐことができます。同様に家庭においても利用できるので手軽な耐震対策器具として活用できます。
U字型
U字型 (またはコの字型) は、配線や配管のサポートやパネル状の部材の端面保護などに使用されます。
T字型
T字型は3方向に延びる角を補強する際に使用されます。
この他にも、特定の角度を持ったコーナーアングルがあり、用途に適した形状とサイズを選ぶ必要があります。
2. 材質による分類
樹脂製
樹脂製は塩化ビニルやABSなどがあり、軽量で耐衝撃性に優れています。塩化ビニル製はその素材の柔らかさを生かして、衝撃緩衝材として用いられることが多いです。工場などの危険が伴う場所で作業員がけがをしないように柱の角に取り付けられたりします。
金属製
金属製はアルミやステンレスなどがあり、主に構造物の補強や大型の部材の接合に用いられます。強度があって、曲がりやたわみが少ないのが特長です。部材の角度を一定に保つことができるため、作業の補助器具としての役割も果たしています。
木製
木製は主に内装や家具の装飾に用いられます。また、同様の目的で樹脂製のコーナーアングルに木目をプリントしたものもあります。
紙製
紙製は梱包用の緩衝材として用いられたりします。一時的な保護に使用するため、比較的安価で入手することが可能です。
また、組み付け用のネジ穴のついたものや、両面テープで直接貼り付けることができるものなど、機能性に優れた製品も販売されています。