樹脂管とは
樹脂管とは、合成樹脂素材の配管のことです。
電線や水道管などの人々の生活インフラを支えています。電線は樹脂管の素材が絶縁性を持っているため、漏電などのリスクを防ぐことができます。また、水回りによく使われるのは、金属製の管に比べて腐食や水漏れに強いからです。
工場用途から一般家庭用途まで、さまざまな樹脂管が展開されています。
樹脂管の使用用途
樹脂管は生活を快適に暮らすためのガスや水道、電線などの配管としてライフラインを支えるために使用されています。錆びることがないので、家庭用では給水や給湯の配管に使用されるのが一般的です。
水道を使用した際の水質に変化が起きず、腐食や赤水のリスクがありません。電気絶縁性に優れているため、鉄道などに近いような電気を大量に使う場所でも、安全に使用することができます。
屋外では消火栓の設備配管にも使用されており、地震や家事などの非常時に役立ちます。
樹脂管の原理
樹脂管は軽量で柔軟なため切断や接合の他、曲げることが可能で、配管を設置するときに自由度が上がる点が特徴です。柔らかく曲げることができるため、切断や接続する場所が少なく、水漏れのリスクや使用部品の削減が可能となります。
金属管の場合だと、切断や加工をするために特殊な工具が必要になりますが、樹脂管の場合はパイプカッターで容易に切断することができます。接続はジョイントを差し込むだけなので、非常に簡単です。
また、衝撃にも強く耐食性や耐久性に優れており、寒冷地などの場所でも結露の発生が少なく、金属のようなサビを懸念をする必要はありません。耐久性も金属のものと比べ、樹脂管の寿命が長いため、交換の手間を省くことができます。
メンテナンスや交換のために、壁や天井を壊す必要がないことも特徴です。架橋ポリエチレン管とポリブテン管の2種類が主に使われていますが、どちらも耐薬品性や耐腐食性を有しています。
樹脂管の種類
1. PVC (ポリ塩化ビニール) 管
PVC管は、ポリ塩化ビニール樹脂を使用して作られる一般的で広く使用されている樹脂管です。耐久性があり、耐薬品性にも優れているため、さまざまな用途で広く採用されています。
PVC管は施工が容易であり、経済的な選択肢としても知られています。建築や配管工事、電気配線などで使用され、信頼性の高い配管システムを構築が可能です。
2. PE (ポリエチレン) 管
PE管はポリエチレン樹脂を使用して作られる樹脂管であり、耐薬品性に優れています。そのため、地下水道やガス配管、農業用水灌漑システムなど、さまざまな分野で広く使用が可能です。
PE管は柔軟性があり、地震や地盤の変動に対しても耐えることができます。地下環境の変化が激しい場所や地盤の沈下が予測される場所での使用に適しています。
3. PP (ポリプロピレン) 管
PP管はポリプロピレン樹脂を使用して作られる樹脂管であり、高い耐熱性と耐薬品性を持つ樹脂管です。そのため、飲料水供給、排水処理、化学工業などの分野で幅広く使用されています。
PP管は軽量でありながらも耐久性があり、環境にやさしい選択肢としても注目されています。また、PP管は溶接や接続が容易であり、短時間で施工することが可能です。
4. PEX (クロスリンクポリエチレン) 管
PEX管はクロスリンクポリエチレン樹脂を使用して作られる樹脂管であり、柔軟性に優れています。この管は配管工事の際に曲げや取り扱いが容易であり、設置の柔軟性が求められる場面で重宝される樹脂管です。
PEX管は耐熱性や耐圧性にも優れており、給湯管や床暖房の配管などの熱水系統に広く使用されています。また、PEX管は耐薬品性もあり、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
5. PVDF (ポリビニリデンフルオライド) 管
PVDF管はポリビニリデンフルオライド樹脂を使用して作られる樹脂管であり、耐薬品性に優れています。特に強酸や強アルカリに対して優れた耐性を持っており、化学工業や半導体製造などの厳しい環境下で使用されることが多いです。
PVDF管は高い耐熱性や耐摩耗性も特長で、複雑な化学プロセスや薬品処理系統での信頼性の高い配管を実現します。