スクリュー軸とは
スクリュー軸とは、軸にらせん状の羽を持つ機械部品です。
スクリューシャフトと呼ばれることもあります。軸が回転すると、螺旋の羽に沿って周囲の物質が軸の方向に押し出される仕組みです。このとき生み出される推力によって、回転運動を直線的な力や動きに変換する役割を果たします。
材質は大きな力に耐えつつ摩耗しにくいため、主に鉄鋼やステンレス鋼といった金属が用いられます。対象物質や使用環境によっては、錆びを防ぐためのめっき処理や、摩耗を抑えるための特殊なコーティングが施されることもあります。また、螺旋の形状も一様ではなく、複数の螺旋が複雑に組み合わさった製品など、用途に応じて多種多様です。対象物を運搬しつつ、混ぜ合わせたり圧縮したりといった付加的な機能を持たせることが可能です。
スクリュー軸の使用用途
スクリュー軸は以下のような用途で使用されます。
1. 粉粒体搬送
粉や粒状の対象物を運ぶことが可能であり、スクリューコンベアが代表例です。筒状のケースの中にスクリュー軸が収め、軸を回転させることで、投入された材料を出口まで安定して送り届けます。食品工場では小麦粉や砂糖の搬送に利用し、化学工場では樹脂ペレットの移送などに活用されます。密閉空間で搬送できるため、衛生管理が求められる場面で特に重宝されます。
2. 液体・粘性物質移送
液体や粘り気の強い物質を移送するポンプの心臓部としても活躍します。スクリューポンプと呼ばれ、スクリューの回転によって液体を連続的に、そして脈動を少なく送り出すことができます。クリームやマヨネーズといった高粘度食品や、上下水道処理施設における汚泥など、他のポンプでは扱いにくい物質の移送に適しています。
3. 樹脂混錬
プラスチック製品を作り出す射出成形機や押出機においてもスクリュー軸は不可欠です。回転しながら樹脂原料を前方に送り出します。原料は加熱されて溶け、スクリューの力で混ぜ合わされて均一な溶融樹脂となります。単なる搬送だけでなく、材料を加熱・溶融・混合するという複雑な役割を一台でこなす重要な部品です。