粉体詰まり防止装置とは
粉体詰まり防止装置とは、容器内で粉体が詰まる現象を防ぐ装置です。
工場などで粉状の材料を扱う際、貯蔵や排出に使われるホッパーやサイロの出口付近でスムーズに流れ落ちなくなることがあります。粉体の粒子同士が付着したり、湿気によって固まったりすることが理由です。このような詰まりが発生すると、生産ラインの停止や品質のばらつきが生じる原因となります。
粉体詰まり防止装置は、このような問題を解決する装置です。仕組みは様々ですが、以下のようなものがあります。
1. 容器にエアーを吹き込むエアーレーション
弾性 (ゴム) ディスク式・ノズル式・メッシュやフィルター式などがあります。
2. 容器に衝撃を与えるノッカー
エアー式・電磁式があります。
3. 容器に振動を与えるバイブレーター
エアー式・電磁式があります。
粉体詰まり防止装置の使用用途
粉体詰まり防止装置は以下のような用途で使用されます。
1. 食品・医薬品
食品や医薬品の製造現場では、小麦粉やでんぷんおよび各種薬品の原料など、多種多様な粉体を使用します。これらの材料は製品の品質や安全性に直結するため、正確な量を安定して供給することが不可欠です。
粉体詰まり防止装置により、原料における配合ミスのリスクを低減できるほか、人の手による介入を減らすことで異物の混入を防ぎ、衛生的な環境を維持することも可能です。容器の内側に設置するエアーレーションについては、異物混入防止のため金属検出機に対応するものがこの用途で使われます。
2. 化学・素材
化学工業や素材産業では、顔料や樹脂ペレットといった粉体を使用します。なかには付着性が強かったり、静電気を帯びやすかったりと、詰まりを引き起こしやすい材料も少なくありません。大規模なサイロやホッパーで詰まりが発生すると大きな損失に繋がる可能性があるため、粉体詰まり防止装置が導入されることも多くあります。
3. 環境・リサイクル施設
ごみ焼却施設やリサイクルプラントなどでは、焼却灰や木材チップといった不均一な粉体を扱います。これらの物質は粒子の大きさや形状がそろっておらず、水分を含んでいることも多いため閉塞しやすい点が特徴です。粉体詰まり防止装置は、このような粉体のスムーズな搬送を可能にし、施設の処理能力を最大限に引き出すための不可欠な設備です。