医療用PC

医療用PCとは

医療用PCとは、医療現場での使用に特化して設計されたコンピューターです。

一般的なPCとは異なり、衛生面や安全性に配慮されている点が特徴です。例えば、医療現場では液体が飛び散る可能性があるため、防水・防塵設計が施されます。また、アルコールなどの薬品で消毒することを想定し、筐体には耐薬品性の高い素材が採用されます。これにより、院内感染のリスクを低減し、清潔な状態を保つことが可能です。

さらに、電子カルテや医療機器との連携をスムーズに行うため、豊富なインターフェースを備えている機種も多くあります。ファンレス設計を採用することで、静音性を高めて診察室や病室の環境を快適に保つ工夫も施されます。国際的な医療機器の電気安全規格に準拠している製品が多く、安全面でも安心して使用できる設計です。

医療用PCの使用用途

医療用PCは以下のような用途で使用されます。

1. 診察室・ナースステーション

診察室では、医師が電子カルテを閲覧・入力するために使用されます。患者の基本情報や診察記録などを一元管理し、迅速かつ正確な診断をサポートします。ナースステーションでは患者のバイタルサインの記録や、看護記録の入力などに利用します。

2. 手術室・集中治療室

手術室や集中治療室のように高度な清潔さが求められる環境では、ファンレスで衛生的な医療用PCが不可欠です。麻酔や人工呼吸器といった生命維持管理装置の制御や、患者の生体情報を表示するモニターとして機能します。手術の進行状況を記録したり、必要な情報を即座に参照したりするためにも活用されます。機器の洗浄や消毒が容易であり、衛生的な環境を維持することに貢献します。

3. 受付・待合室

病院の受付では、患者の来院受付や会計処理などに医療用PCを活用します。また、待合室に設置される自動精算機や、診療の順番を表示する案内ディスプレイの制御にも使用されることがあります。患者自身が操作するタッチパネル式の端末として導入されることもあり、院内の業務効率化と患者サービスの向上に寄与します。