試作板金サービス

試作板金サービスとは

試作板金サービスとは、板金加工が必要な製品の開発時などに利用され、主に精密板金で加工を行うサービスです。

板金加工には、比較的厚い金属板の加工を行う工場板金や、薄い金属板を精密に加工する精密板金、手作業で行う手板金などがあります。精密で複雑な加工を行う精密板金は、少量から対応可能で、量産に入る前の形状・機能の確認用途の試作でよく利用されることから試作板金と呼ばれます。

試作板金サービスは、少量から短納期で精密かつ複雑な板金加工の提供が特徴です。試作板金は、切断、成形、曲げ、溶接の技術の組み合わせで、複雑な機構部品や筐体、外装部品などを製作し、様々な製品の開発に欠かせない技術です。

試作板金サービスの使用用途

試作板金サービスは様々な場面で使用されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 試作品の製作

試作板金サービスは、製品開発初期段階において、形状や寸法、機能、組み立て性、デザインなどの確認用の試作品を製作する際に利用されています。試作加工するものとしては、スマートフォン、通信機器、コンピュータなどの電子機器や医療機器、自動車・宇宙機器・産業機械の部品など様々な種類があります。

2. 少量生産

新製品のテストマーケティングや特注品、限定モデルなどの少量生産にも適しています。

3. 治具・工具の製作

製造現場で使用する特定用途の治具や工具をカスタム製作する際にもよく利用されます。

4. 展示会用モデル

製品を発表するためのデモンストレーションモデルや、展示会用のモックアップの作成も可能です。

5. 試験・評価用部品

強度試験や性能評価のために、材料などの条件を変えながら部品を試作する際も利用されています。

試作板金サービスの種類

試作板金は、薄い金属板を切断、成形、曲げ、溶接の技術を組み合わせて部品を製作します。以下に、試作板金サービスの主な種類を記載します。

1. レーザー加工

レーザー加工機は、金属板にレーザー光を照射することで、複雑な形状に加工することができ、設計通りの形状に高精度に比較的短時間で切り出します。

2. パンチング加工

タレパンと略されるタレットパンチプレスを用いて、穴あけや切り抜き加工を行います。金属板に複数の穴や模様を施すこともできます。また、レーザー加工機とタレットパンチプレスを複合した機械もあります。

3. 絞り加工

金型を使用せずに複数の治具を組み合わせることにより、絞り加工を行うことが可能な試作板金サービスもあります。

4. 曲げ加工

プレスブレーキ (ベンディングマシーン) を用いて、金属板に圧力をかけ所定の角度や形状に曲げます。フレームや筐体などの試作ができます。

5. 溶接

溶接は、接合したい金属の一部分だけを加熱や加圧で溶かした後に冷やし固め、一つに接合する技術です。アーク溶接、スポット溶接、レーザー溶接などがあります。機械部品や金属筐体の試作などで、強度を必要とする部品や複雑な形状の組み立てに使用します。

6. 表面処理

耐腐食性や外観を向上させるために、アルマイト処理、メッキ、塗装、研磨などを施します。

試作板金サービスの選び方 

以下に、試作板金サービスの選び方の主な観点を記載します。

1. 加工精度

求める加工精度に合わせ、対応できる加工設備と技術を持つサービス業者を選びます。機能確認の為の試作や特注品の少量生産など、高精度が必要とされる場合が多いです。

2. 対応素材

使用する金属 (アルミニウム、ステンレス、鉄、チタンなど) に適した技術を持つサービス業者を選択します。板金の材料の在庫を持ち、短納期に対応可能なサービス業者もいます。

3. 納期

試作板金は開発スピードに影響するため、見積りから納入まで短納期で対応できるサービス業者が望ましいです。納期を短縮するための設計変更などを提案可能な、経験豊富なサービス業者を選択することも大切です。

4. コスト管理

加工コストを抑えつつ、必要な精度内で形状や公差の変更を提案してくれるサービス業者も増えています。コストを抑えるためには、必要な加工の種類を明確にすることも大事です。

5. 追加サービス

表面処理や組み立てなどの付加サービスが必要な場合、一貫して対応可能なサービス業者を選択すれば短納期を可能にします。

6. 試作から量産までの対応

試作だけでなく、量産対応まで考慮した技術提案可能なサービス業者を選ぶと、製品化への移行がスムーズになります。