粘着マット

監修:株式会社エクシール

粘着マットとは

粘着マットとは、靴底や台車の車輪などの汚れや塵、埃、微粒子を取り除くマットです。

粘着マットは、医薬製造や半導体製造、食品工場、医療施設など、汚染を防ぐ必要がある様々な環境に設置されています。粘着マット表面の粘着面が、通過する人や物の汚れをくっつける仕組みです。

粘着マットには大きく2つのタイプがあり、多層になっているシートを汚れたら1枚ずつめくって捨てるディスポーザブルタイプと、汚れたら洗浄して再利用するタイプです。

ディスポーザブルタイプは、高頻度の汚れ除去が必要な現場で、マットの交換作業を簡便にしたい場合に向いています。

再利用するタイプは、繰り返し使用でき環境に優しいマットです。初期費用はディスポーザブルタイプより高いですが、長く使用することによりコストを削減することができます。

粘着マットの使用用途

粘着マットは様々な場所で、塵や埃などを持ち込まないようにするために使用されています。以下に一例を記載します。

1. エアーシャワー室

食品工場や医薬品製造、半導体製造、電子部品工場などのクリーンルーム出入り口にあるエアーシャワー室内

2. 食品工場

食品製造エリアやパッケージラインの出入り口、工程間のエリア分けに

3. 塗装・印刷エリア

塗装や印刷工程ラインの出入り口

4. 医療施設

病院や研究施設などの出入り口

5. 環境を整えたい一般の工場や建設現場・リフォーム現場

その他工場やリフォーム作業、新築現場などの出入り口

粘着マットの構造

以下に、粘着マットの構造を記載します。

1. ディスポーザブルタイプ

粘着多層シート : 粘着マットは粘着剤がコーティングされたシートが多層になっており、汚れたシートを剥がすことで新しい清潔なシートが現れます。粘着剤は、人が通過する際に靴底のほこりや汚れをくっつけます。シートを剥がすにつれて粘着マットの高さが低くなります。

基材 : 粘着マットのベース部分は、薄いポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂でできています。

防滑加工 : マット自体が動かないようにするため、マットの裏面には防滑加工や粘着加工が施されたものもあります。

2. 再利用タイプ

マット表面の粘着層 : 粘着マットの表面は特殊な粘着層になっており、靴底や車輪から汚れをくっつけます。粘着層は、水や専用洗剤で洗浄することで汚れが落ち、粘着性が回復するため繰り返し使用が可能です。

耐久性の高い基材 : マット自体は特殊なポリウレタン素材などで作られています。

防滑加工 : マットの裏面に防滑加工や粘着加工が施されています。

粘着マットの種類

以下に、粘着マットの主な種類を記載します。

1. スタンダードマット

一般的な粘着マットで、多くの用途に適用可能で、靴底の汚れ除去に使用されます。

2. 強粘着マット

強い粘着力を持ち、ほこりをしっかり吸着します。しっかりほこりを取りたい、高いクリーン度を求められる場所に適していますが、粘着力が強いため、転倒リスクが高くなります。

3. 弱粘着マット

粘着力は低めで転倒リスクが減るため、普段粘着マットを通過しない人も通る環境などに適しています

4. 抗菌・防カビマット

粘着層に抗菌・防カビ剤が含まれており、細菌や微生物の繁殖を防ぎます。食品工場や植物工場などに適しています。

5. 帯電防止マット

粘着層に帯電防止剤が含まれており静電気を防ぐため、電子部品工場などに向いています。

粘着マットの選び方

以下に、粘着マットの選び方の主な観点を記載します。

1. 粘着マットのタイプ

ディスポーザブルタイプ :  ディスポーザブルタイプのメリットは、シートを剥がすだけで清潔な状態を維持でき、短期間で高頻度の汚れ除去が必要な現場や交換作業を簡便にしたい場合に向いています。また、シートに番号が振られ、残りのシート枚数が分かり管理がしやすい商品もあります。

デメリットは、廃棄物が発生し、長期間の使用ではコストがかさむことです。シート数が多く長期間使用できるものもありますので、初期費用だけでなくランニングコストも考慮して選びましょう。また、剥がすことを目的に作られたシートのため、車両が通るとシートが剥がれてタイヤに巻き込む恐れがあります。他にも剥がす際の汚れの飛散リスクなどがあります。

再利用タイプ : 再利用タイプは、洗浄により繰り返し使用できるため環境に優しく、初期コストが高いものの、繰り返しの使用で長期的なコスト削減が可能です。主に固定的な場所での使用に向いています。また、フォークリフトや重量台車などのタイヤ汚れに対応しているものもあります。

デメリットは、洗浄の手間がかかることです。頻繁に洗浄が必要な場合は、近くに清掃道具を用意するなどして環境を整えておくと良いです。

2. 使用環境

目標のクリーン度や使用環境に応じたマットを選びます。
また、車両が通過することを想定する場合、ディスポーザブルタイプはタイヤに巻き込むリスクがあるため、再利用タイプが適しています。

3. サイズ

設置場所の広さや通過する人・物の頻度に合わせて適切なサイズを選びます。車両が通ることが想定される場合は、対応しているマットとサイズを選定する必要があります。

本記事は粘着マットを製造・販売する株式会社エクシール様に監修を頂きました。

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