監修:株式会社新免鉄工所
レーザークリーニングとは
レーザークリーニングとは、金属や石材などの表面に付着した錆・塗膜・油汚れ・酸化皮膜などの不純物を、レーザー光の照射により効率的かつ非接触で除去する先進的なクリーニング技術です。
パルスレーザー(主に短パルスやナノ秒パルス)を使用し、照射されたエネルギーで不純物を瞬時に蒸発・剥離させ、対象物の基材にはダメージを与えずにクリーニングを実現します。非接触のため、装置には摩耗する接触部品が少なく、レーザークリーニング装置は保守・メンテナンスが比較的容易です。
また、化学薬品や溶剤を使用しないため有害物質が発生せず、作業者の安全性や環境への配慮にも優れています。従来のサンドブラストやグリットブラストと比較して、粉塵の飛散や後処理の手間が大幅に軽減され、作業性の向上にも寄与します。
適用可能な素材は金属、石材、セラミックス、ガラスなど多岐にわたり、工業製品の製造工程やメンテナンス、建築分野、文化財の修復、自動車・航空・医療機器分野など、幅広い業界でレーザークリーニングは不可欠な技術として導入が進んでいます。
レーザークリーニングの使用用途
以下に、レーザークリーニングの主な使用用途の一例を挙げます。
1. 金属表面の錆・腐食除去
レーザークリーニングによって車両部品や工場設備の金属表面から、錆や腐食部分を除去します。鉄鋼製品やアルミニウム部品の下地処理に有効です。
2. 塗膜やコーティングの除去
レーザークリーニングによって金属部品や機械装置から、塗膜やコーティングを除去します。航空機や自動車部品のリペアやリサイクル、溶接前の下地処理に有効です。
3. 汚染物質の除去
半導体製造分野などで、精密部品やウェハー表面の汚染物質をレーザークリーニングで除去し、高い清浄度を確保します。
また、船体や飛行機部品の表面塗料や汚れ、塩分残留物を除去するのにも使われます。これにより、メンテナンスを効率化することが可能です。
4. 文化財の修復
貴重な遺物や彫刻、歴史的建造物の汚れや劣化した塗料を、基材を損傷させずに除去します。特に、石材や金属製の文化財の修復や洗浄に有効です。
本記事はレーザークリーニングを提供する株式会社新免鉄工所様に監修を頂きました。
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