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ヘキサメチレンジアミンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ヘキサメチレンジアミンのメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しております。ヘキサメチレンジアミン関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:純正化学株式会社となっています。
ヘキサメチレンジアミンとは、アミノ基 (-NH₂) をもつ有機化合物です。
工業的には、化学繊維や生活用品の合成の原料として使われており、汎用性の高い有機化合物です。脂肪族であるヘキシル基の両端にアミノ基が結合した化学構造であり、脂肪族アミンに分類されます。アミンにより塩基性の性質を持っています。
塩基性の度合いは置換基の種類や数、分子の立体構造によって異なります。1,6-ジアミノヘキサン、ヘキサン-1,6-ジアミン、1,6-ヘキサジアミンとも呼ばれます。
ヘキサメチレンジアミンの使用用途は多岐にわたりますが、もっとも代表的なのは、化学繊維として知られるナイロン6,6の重合用原料です。その他には、ポリウレタンを合成するためのヘキサメチレンジイソシアネートの原料、腐食防止剤、化学中間体、硬化剤の材料として使用されています。以下に代表的な使用用途について説明します。
化学繊維やエアバック、プラスチック機械部品に活用されるエンジニアリングプラスチックのナイロン6,6は、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの重縮合反応により合成されます。実験室では、アジピン酸の反応性を高めるためにジクロリド化されたアジピン酸ジクロリドを原料に使用します。
ヘキサメチレンジアミンを塩基性水溶液に溶解させ、アジピン酸ジクロリドをヘキサンなどの有機溶媒に溶解させます。水溶液と有機溶媒は混ざり合わないため、界面ができますが、その界面で重合反応が発生し、ピンセットなどで界面に生成した膜を引き上げるとナイロン6,6の繊維を取り出すことができます。
ヘキサメチレンジアミンと二塩化カルボニルとして知られるホスゲンと反応させ、その後精製させるとヘキサメチレンジイソシアネートが合成されます。ヘキサメチレンジイソシアネートは別名HDIとも呼ばれます。最も有名な応用例としてポリウレタンがあげられ、伸縮性のあるスイミングウェアや、衣類、発泡剤を配合したものは防音材や自動車用部品、更には、接着剤などがあります。
他にも、様々なモノマーと反応、重合させることで、衝撃吸収性のあるウレタン樹脂やエナメルコーティング材、航空機のコーティング材を製造することができます。
ヘキサメチレンジアミンの原理として、化学的性質や製造方法について説明します。
ヘキサメチレンジアミンは、化学式H2N(CH2)6NH2、分子量116.20の有機化合物です。物理的性質及び化学的性質として、融点/凝固点は38℃〜42℃、沸点又は初留点及び沸騰範囲は204~205℃、室温下 (20℃) で白色の粉末か固体であるという性質が挙げられます。 水に可溶で、エタノール、アセトンにはわずかに溶ける性質を持っています。
水溶液は強塩基性であるため、酸と激しく反応して腐食性を示し、亜鉛、銅、黄銅及び青銅を腐食します。また、希釈した際に腐食性の気体が生じるのが特徴です。さらに、昇華性と吸湿性を有しており、空気中の二酸化炭素を吸収することで炭酸塩が生成します。
ヘキサメチレンジアミンは当初、デュポン社によって開発されたフルフラーレル法で行われていました。その後、ブタジエンを塩素化するジクロロブテン法が開発され、現代においても続けられています。現在もっとも一般的な製造方法はADA(アジピン酸)法で、ドイツやヨーロッパの多くの化学メーカーで採用されています。
出発物質はシクロヘキサンで、酸化反応によりナイロン6,6の原料でもあるアジピン酸と、水素化によりヘキサメチレンジアミンの両方を得ます。ただ、ADA法は製造コストが高いといったデメリットがありました。
そのため、1960年代の初期にアクリロニトリルからヘキサメチレンジアミンの原料となるアジポニトリルを製造する電解還元二量化法が開発されました。それに次いで1970年代には、ブタジエンに直接シアン化水素を付加させるペンテンニトリルを経由したハイドロシアネーション法によるアジポニトリル製造方法が開発されました。
他にも アジポニトリルを経由しないヘキサメチレンジアミンの製造方法として、ジオール法、カプロラク タム法及びプロピレン-アリルクロライド法などが挙げられます。
ヘキサメチレンジアミンには、類似した化学構造を持つ脂肪族ジアミンがあります。炭素数が2つになったエチレンジアミンはアンモニアに似た臭気を持ち、強い塩基性を持つ液体です。可燃性を有し、酸に激しく反応する性質を持ちます。
炭素数が5つになった1,5-ペンタンジアミンはヘキサメチレンジアミンと同様に樹脂の原料として使われます。別名、カダベリンとも呼ばれます。
脂環構造を有する1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンはエポキシ硬化剤として用いられており、効果スピードが速く、また、高い耐薬品性を有しています。この特徴から、コーティング業界や複合材料の分野で広く使われています。
また、同じく類似構造をもつメタキシレンジアミンはエポキシ系塗料用の硬化剤として世界中で使われています。低温で硬化する特徴を持ち、塗料の防蝕性と耐薬品性を向上させます。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0108-0032JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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