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ナトリウムアミドについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ナトリウムアミドのメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ナトリウムアミド (英: Sodium amide) とは、N-Na 結合がポリマー状に連続している無機化合物です。
アンモニアのような臭いで、融点は210℃、約500℃で分解します。化学式はNaNH2で表され、化学合成では主に強塩基として使用されています。モル質量は30.01でCAS番号は7782-92-5です。別名「ソーダミド」とも呼ばれています。常温では、固体で存在しており、純度の高いものは無色、純度が下がると灰色をしています。
市販で発売されているナトリウムアミドは、不純物として鉄が入っているため、灰色に見えますが、品質に影響はありません。潮解性があり、空気中の酸素によって加水分解され、亜硝酸ナトリウムへと変化します。また、光によって変質するおそれがあることから保存には注意が必要です。
化学合成においては求核性が低いことから、求核攻撃を避けたい場面などにおいて使用できるような強塩基として用いられています。しかし、通常の有機溶媒に対する溶解度が低いため、主に液体アンモニアを溶媒とする反応を中心に使用されることが特徴です。
具体的には、アセチレンを脱プロトンして、アセチレンを求核材として使うことで炭素-炭素結合を形成する反応に用いられます。この反応は、合成したアセチレンを還元することでアルカンやアルケンを合成でき、加水分解することでカルボニル化合物を合成することも可能です。
また、ベンザイン反応ではナトリウムアミドの塩基性を利用してベンゼン環から水素を引き抜き、ベンザインとすることでベンゼン環上の置換基を交換します。他には、アルキルケトンの合成、ピリジン環の窒素原子に隣接した炭素にアミノ基を導入するチチバビン反応に用いられることもあります。
有機溶媒中で行われる反応はリチウムジイソプロピルアミド (LDA) などが用いられることが多いです。塩基としての使用以外では、縮合剤や有機分子の還元剤にも使用されています。
他の用途として、インディゴやヒドラジン、シアン化ナトリウムの原料としての使用が挙げられます。インディゴは、染料であり、デニムやジーンズを染め上げる時に使用されてきました。ナトリウムアミド単体で使用する場合は、アンモニア中の微量な水分を除く乾燥剤、脱水剤としても使用されます。2018年には、塩化物とナトリウムアミドを混合すると瞬間的な昇温反応によって酸窒化物を合成できるという反応が報告されました。
ナトリウムアミドの結晶構造は、窒素原子とナトリウム原子が交互にポリマー状に連続していて、斜方晶系の構造となっています。
一つのナトリウム原子に四つの窒素原子が配位した構造になっており、液体アンモニアに溶解させると導電性を示します。液体アンモニアにナトリウムアミドを溶かしたものをアンモノ塩基と言います。アンモノ塩基は、マグネシウム、亜鉛、モリブデンなどの金属や、ガラスなどを溶かすことが特徴です。
ナトリウムアミドは、金属ナトリウムと気体アンモニアから合成することができますが、通常は硝酸鉄 (III) を触媒として液体アンモニアから合成します。38という高い酸解離定数 (pKa) を持っているため強塩基です。
主な国内法規には該当しませんが、強塩基化合物のため強い刺激性を持ち、皮膚に付着すると炎症を起こします。取り扱う際には、必ず白衣と保護メガネ、手袋の着用を行うようにしましょう。
また、水に触れると激しく反応し、水酸化ナトリウムと有毒な気体であるアンモニアを発生させるため、乾燥した環境下で保存することが必要です。特に水分に触れることによって火が発生する事故が過去にも発生しているため、注意しなければいけません。30℃以上で保存するのが良いとされています。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0119-1194JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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