1987年~1991年昭和電線電纜勤務 高分子材料研究室にて電線の被覆材の研究に従事
1991年~1997年小池国際特許事務所にてパテントエンジニアとして勤務
1997年~2005年GE横河メディカルシステムにて知財部員として勤務
現在、ライターとして活動。
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鈴木裕子のプロフィール
バイオマスプラスチックとは、再生可能なバイオマス資源を原料に、化学的もしくは生物学的に合成した高分子材料です。
必ずしも生分解性を有しているわけではありませんが、カーボンニュートラル性から環境にやさしいプラスチックとして知られます。原料や化学構造、製法、機能は様々であるため、それぞれの特徴を理解した上で適切なものを使用することが大切です。
バイオマスプラスチックは、環境対策の強化に伴って、様々な分野で使用されています。具体的な使用用途は、以下の通りです。
バイオマスプラスチックは、再生可能なバイオマス資源を原料に、化学的もしくは生物学的に合成した高分子材料です。すなわち、バイオマスプラスチックの原料は二酸化炭素を使用した光合成により生育する植物原料です。
このため、バイオマスプラスチックを焼却処分して二酸化炭素を排出しても、生育時の二酸化炭素の吸収量と焼却時の二酸化炭素の排出量の総量がプラスマイナスゼロとなり、高いカーボンニュートラル性を発揮できます。バイオマスプラスチックには生分解性のものと非生分解性のものがあります。
生分解性を持たせて土壌に返し、原料となる植物を栽培する循環を実現させる試みが進んでいます。このように、バイオマスプラスチックの植物由来の原料は栽培可能で、石油由来の原料に比べて枯渇の心配が無いことも特徴の一つです。
バイオマスプラスチックには、大きく分けて3つの種類があります。中でもサトウキビやとうもろこしなどの非可食部をはじめとするバイオマス資源が原料であるケースが多いです。
生分解性バイオマスプラスチックとは、原料がバイオマス資源かつ生分解性を有するプラスチックです。代表例は、ポリ乳酸やポリヒドロキシアルカノエート (PHA) などです。中でもポリ乳酸は、数ある生分解性プラスチックの中で最も商業化が進んでいます。ただし、成形が難しいことや価格が高い、強度が低いなどの理由から、限定的な普及に留まっています。
非生分解性バイオマスプラスチックとは、原料がバイオマス資源ですが、生分解性を有していないプラスチックです。バイオポリエチレンやバイオポリアミドなどが代表例です。生分解性はありませんが、カーボンニュートラルを達成できます。生分解性プラスチックよりは扱いやすいものの、汎用プラスチックに比べ価格が高いことから限定的な利用に留まっています。
部分的バイオマス原料プラスチックとは、原料の一部としてバイオマス原料を使用して製造されたプラスチックです。例えば、ポリプロピレンテレフタレート (PPT) の、片方の原料であるプロピレングリコールを醗酵法で作った製品などがあります。またポリ乳酸の共重合物、酢酸セルロース系もこの分類に属します。
バイオプラスチックと生分解性プラスチックの違いは、バイオマスプラスチックは原料により定義されたもので、生分解性プラスチックは機能により定義されたものであることです。
バイオマスプラスチックはこれまで述べてきたように、原料として再生可能なバイオマス資源を使用し、化学的もしくは生物学的に合成した高分子材料です。バイオマス原料の中には生分解するものと生分解しないものが存在します。
これに対して生分解性プラスチックは、環境中の微生物の働きによって分解される性質を持つプラスチックで、原料が、必ずしも生物由来とは限りません。例えば、ポリブチレンアジペートテレフタレート (PBAT) は、化石資源由来で石油から作られるものとバイオマス由来でサトウキビから作られるものがあります。
なお、生分解性プラスチックは、レジ袋や商品包装、水切りネット、パソコン部品、土のう袋、釣り糸、農業用マルチシートなどに使用されています。そして、これらを総称して「バイオプラスチック」と呼んでいます。
環境問題とりわけ地球温暖化に対する世界的な取り組みは、1997年に制定された京都議定書に端を発します。地球温暖化は二酸化炭素を始めとする温室効果ガスによるものとされ、その排出を抑える国際的な枠組みが制定されました。京都議定書による枠組みへの対象国は先進国に限定されていましたが、2013年に制定されたパリ協定では途上国も含めた枠組みになっています。
こうした背景により、各国で二酸化炭素排出量を削減するための取り組みがなされており、バイオマスプラスチックへの転換もその一つです。しかしながら、バイオマスプラスチックは原料が100%バイオマス材料からなるものはまだ少ないため、処分する際に汎用プラスチックと同様の問題が起こることがあります。そのほか、法整備だけでなく、技術的な革新も必要です。
通常のプラスチックと同様に、バイオマスプラスチックにもマイクロプラスチック問題があります。現在使用されているバイオマスプラスチックは一部のみ生分解性であるものが多く、分解されずに残ったプラスチック片は外部環境により粉砕されますが、分解はされません。
最終的には、数マイクロメートル~数十マイクロメートルサイズのマイクロプラスチックとなり、これが動物の体内に蓄積され食物連鎖の過程で生態系や人体に悪影響を及ぼすと考えられています。
参考文献
http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-02/y031202-5r.pdf
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20190408.html
http://www.jbpaweb.net/
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO38100800S8A121C1000000/?page=2
http://www.jbpaweb.net/gp/
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20190408.html
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VASUジャパン株式会社
VSシリーズは、環境のことを考えた、地球にやさしいバイオプラスチック素材です。 使用後の適切な処理によって、約3ヶ月から6ヶ月で微...
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2022年6月24日
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バイオマスプラスチック VS-60シリーズと、生分解性プラスチック VS-90シリーズは、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、真空成形など、様々な成形...
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